著者
小沢 泉太郎 鳥谷 淳 荻野 義定
出版者
The Japan Petroleum Institute
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.328-334, 1988-07-01 (Released:2008-10-15)
参考文献数
22

重質油反応の経時変化測定を容易にするため, 簡易ミクロボンブ反応器を考案し, 450°C, 水素初圧7.9MPa, 反応時間9-180minの条件で, エイコサンの水素化分解反応の検討に供した。生成物は, 主に炭素数1-19のパラフィンと炭素数2-19のオレフィンであった。これら生成物の初期分布には規則性があり, 反応がC20→Cj+C20-j(j=1-10) で始まり, j=1がもっとも生じにくく, j=2がこれに次ぎ, j≧3になると, ほぼ等率で分解することがわかった。パラフィンとオレフィンの初期生成率の相互関係も, 上記分解パターンに矛盾しないものであった。液体スズ触媒は, 初期分解パターンにほとんど変化を与えないが, 分解速度を抑制する弱い負触媒作用をすることがわかった。