著者
宮田 一弘 小泉 雅樹 岩井 優香 小林 正和 臼田 滋
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.118-126, 2016 (Released:2016-04-20)
参考文献数
33

【目的】Balance Evaluation Systems Test(以下,BESTest),Mini-BESTest,Brief-BESTest およびBerg Balance Scale(以下,BBS)の得点分布の特性と転倒予測精度を比較することである。【方法】57名の入院患者(脳卒中者と骨折者)を対象とした。退院時に3 つのBESTest とBBS を測定し,退院後6 ヵ月間の転倒の有無を調査した。評価指標の得点分布と転倒予測精度を検討した。【結果】BBS のみに天井効果を認め,歪度からBBS の分布に偏りを認めた。転倒予測精度について,Area under the curve と感度でMini-BESTest が最も高く,特異度ではBBS が最も高かった。【結論】Mini-BESTest は,その得点分布が比較的均一で,中等度の転倒予測精度を有し,動作課題項目も少ないことから有用性の高い評価であることが示唆された。