著者
今井 透 遠藤 朝彦 吉村 剛 宇井 直也 大久保 公裕 藤倉 輝道 新井 寧子 余田 敬子 北嶋 整 相田 瑞恵 小津 千佳 酒主 敦子 森山 寛
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.427-438, 2005

東京都において, 観測史上最多のスギ花粉飛散を記録した20o5年に, 多施設共同でスギ花粉症に対するラマトロバンおよび抗ヒスタミン薬との併用療法を, 鼻症状およびQOLについて花粉症日記と日本アレルギー性鼻炎標準調査票 (JRQLQ No.1およびNo.2鼻眼以外の症状用) を用いて検討した。比較に際しては, 初期治療群と飛散後治療群に群別した。初期治療群では飛散後治療群に比較して, 鼻症状およびQOLともにスギ飛散ピーク時のスコアの抑制がみられ, 副作用は認められなかつた。作用機序の異なるラマトロバンと抗ヒスタミン薬との併用は, シーズン10,000個/cm2を超えるような大量飛散年においても, 飛散ピーク時の鼻症状ならびに患者QOLを改善することから有用な治療法であることが示唆された。