著者
小澤 文幸 竹内 勝彦
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

ピリジンを母核とするPNPピンサー型配位子は,遷移金属錯体上で,塩基の作用により脱プロトン化を起こし,脱芳香族化ピリジン骨格を有する配位子に変化することが知られている.この配位子は強い塩基性を示し, ルイス酸である中心金属との酸-塩基協同作用により種々の結合の不均等開裂を起こす.本研究では,遷移金属に対して強いπ受容性を示すホスファアルケンを配位子骨格に組み込み,錯体反応性の大幅な向上を試みた.その結果,アンモニアのN-H結合切断や二酸化炭素の触媒的ヒドロシリル化に高い反応性を示す錯体を合成単離することができた.