著者
小田 一博
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.681-687, 2005-10-01

わが国の年金制度は「社会的扶養」を基本とし, 全国民に共通した「国民年金(基礎年金)」をベースに「被用者年金」および「企業年金」の3階建ての体系となっている.この「国民年金」と「被用者年金」は公的年金, 「企業年金」は私的年金と位置づけられている.公的年金においては, 今後少子高齢化が進行するため, 制度の支え手である現役世代が減り保険料収入が減少する一方, 高齢者の増加や平均寿命の伸びで給付費が増大することが見込まれており, 平成16年において, 将来にわたり安心できる持続可能な年金制度の構築を目指し, 給付と負担のあり方を見直す等の制度改正が行われた.