著者
土井 幸輝 小田原 利江 林 美恵子 藤本 浩志
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
福祉工学シンポ
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.201-204, 2003
被引用文献数
2

点字は, 視覚障害者にとって自らが読み書き出来る唯一の文字として一般に知られているが, 近年, スクリーン印刷による紫外線硬化樹脂インク点字(以下UV点字と記す)サインが, 共用品として急激に普及している。しかし, 製作者ごとにUV点字パターン(点間隔・高さなど)が大きく異なるため, 触読しにくいことが指摘されている。そのため, 現在, UV点字に関する日本工業規格化が検討されている。そこで, 本研究では, 触読しやすいUV点字パターンを明らかにすることを目的とし, ヒトの指先の皮膚感覚レベルで, 点字の点間隔・高さの違いがどの程度識別容易性に影響を与えるのかを調べた。実験には, 点字触読における経験要素を排除するため, 晴眼者に参加してもらい, さまざまな点間隔・高さの6文字(1点欠け)について, 同定課題を行った。これより, 識別しやすいUV点字パターンの有用な基礎データが得られた。