著者
大貫 真樹子 谷口 伸二 小畑 秀弘
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.586-588, 2005-02-28
被引用文献数
8 9

景勝天橋立近くの森林内で採取した表土シードバンクを植生基材の中に体積比10%混入して吹付けた切土のり面の施工後2年3カ月には, ヌルデ, カラスザンショウを主とする多様な種による低木類が成立した。その林床にはアカマツ, ウリカエデ, リョウブなど風散布型の木本種と鳥散布によって侵入したと思われるヒサカキ, ソヨゴが生育していることが確認された。これらの種類は, のり面上部の森林の植生相を形成する種の一部であり, こののり面は早期に周囲と近似した植生へ遷移することが示唆された。