著者
大貫 真樹子 久保 満佐子 飯塚 康雄 栗原 正夫
出版者
JAPANESE SOCIETY OF REVEGETATION TECHNOLOGY
雑誌
日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.198-201, 2013-08-31
参考文献数
10

侵略性の高い外来の緑化植物として指摘されているイタチハギを選択的に伐採する駆除試験を行った。イタチハギが優占する栃木県真岡市の切土のり面において,5 月,6 月,8 月および5 月と8 月の4 種の異なる時期に伐採時期を設け,イタチハギのみの定期的な伐採を3 年間継続した結果,無処理区と比較してイタチハギの平均個体数,平均樹高,植被率が低下した。5 月と8 月の年2 回伐採を行った試験区では,いずれの値も開始当年から低く,在来の高木種の植被率が増加したことから,今後の継続した伐採によって高木種がイタチハギを被陰し,イタチハギを駆除できるものと考えられた。
著者
大貫 真樹子 谷口 伸二 小畑 秀弘
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.586-588, 2005-02-28
被引用文献数
8 9

景勝天橋立近くの森林内で採取した表土シードバンクを植生基材の中に体積比10%混入して吹付けた切土のり面の施工後2年3カ月には, ヌルデ, カラスザンショウを主とする多様な種による低木類が成立した。その林床にはアカマツ, ウリカエデ, リョウブなど風散布型の木本種と鳥散布によって侵入したと思われるヒサカキ, ソヨゴが生育していることが確認された。これらの種類は, のり面上部の森林の植生相を形成する種の一部であり, こののり面は早期に周囲と近似した植生へ遷移することが示唆された。