- 著者
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小西 一有
- 出版者
- 日本マネジメント学会
- 雑誌
- 日本経営教育学会全国研究大会研究報告集
- 巻号頁・発行日
- no.59, pp.54-57, 2009-06-26
イノベーションとは、多くの可能性を生み出す大きなアイディアである。しかしながら、イノベーションは、とらえどころのない存在であり、それだけを一心に追及しても、持続可能なビジネス成果が生み出される可能性は高くない。企業経営者は、イノベーションが、イノベーションであるがゆえにパラドックス(矛盾点)を抱える存在であることを理解し行動しなければならない。イノベーションに取組む多くの経営者は、再帰的なアプローチを採用している。アイディアを取捨選択するためのフィルタリング・プロセス、アイディア試行のための方法論、そして、社内でイノベーションの中心的役割を声高に訴求するためのイノベーション・プログラムを策定している。しかし、ガートナーが調査したイノベーション推進について先進的な企業は、再帰的なプローチとは、異なる方法でイノベーションを推進している。イノベーションには、パワー(Power)、プロセス(Process)、プレッシャー(Pressure)、プロパティ(Property)の四つのパラドックスが存在する。そして、これらを効果的に克服してビジネス価値を追及することが経営者には求められる。