著者
十合 晋作 小見山 博光
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

テロメススキャンによる高感度CTC検出の条件検討で、高感度ハイスループットのCTC検出法を独自の方法で開発した。結果:Stage0-I (n=28)早期肺癌患者中 CTC陽性率(2≧3ml/末梢血)82.6%CEA(5>)陽性率 7.1%で、CTC-/CEA+は0人。よって検診測定の血清腫瘍マーカーのCEAより早期に癌を発見可能な高感度測定を達成した。本法は、現在特許申請準備中である。また、CTC表現型解析では、EMT-CTCが悪性度が高く、治療抵抗性につながる報告をしたことから、あたらな間葉系CTC特異的間葉系バイオマーカーの探索のため、様々な間葉系抗体等で免疫染色を行ったが、Vimentinが最終的に信頼性の高いマーカーであることに帰着した。更に、近年、免疫チェックポイント阻害剤が肺癌での有効性が注目されているが、PD-L1-CTC、EMT-CTCの同時検出をVimentinとPD-L1の同時染色により検出する系を構築した。化学療法直前、投与後1コース後に採血してCTC数を測定する。実際のがん治療の奏効とCTCの経時変化の解析から抗がん剤の奏効予測、再発/耐性予測バイオマーカーとしての有用性を検証する前向き臨床試験倫理申請準備に着手した。本試験では、前記のCTC検出法を用いPD-L1-EMT-CTCのモニタリングを行える準備が整っている。研究代表者の十合はオンコリスバイオファーマ社との共同研究から、CTCからFISH法によりALK阻害剤が有効な肺がんのDriver変異であるEML4-ALK遺伝子変異陽性患者を検出することが可能となり、ALK阻害剤投与における非侵襲的な液体生検でテロメスキャンF35によるCTCで評価可能であることを論文報告した(Oncotarget. 2018.Watanabe J, Togo S. etal)。