- 著者
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香野 修介
今村 洋一
小路 眞護
林 秀樹
山田 研太郎
野中 共平
- 出版者
- 一般社団法人 日本糖尿病学会
- 雑誌
- 糖尿病 (ISSN:0021437X)
- 巻号頁・発行日
- vol.41, no.12, pp.1089-1094, 1998-12-30 (Released:2011-03-02)
- 参考文献数
- 15
- 被引用文献数
-
2
[目的] さまざまな血糖コントロールの糖尿病患者およびインスリノーマ患者に対し低血糖誘発試験を行い, インスリン拮抗ホルモン分泌動態や低血糖症状を観察し, 低血糖閾値を検討した.[成績] 1回/月以上の低血糖の既往がある群は, ない群より明らかに閾値は低下していた.また閾値上昇群 (健常者閾値平均+2SD以上) のHbA1cは閾値低下群 (平均-2SD) に比べ著明に高く, HbA1cとエピネフリン分泌閾値とは平行していた.インスリノーマ患者の低血糖閾値は著明に低下していたが術後上昇し, 逆に血糖コントロール不良者の閾値は上昇していたが約1カ月間血糖コントロールすると低下傾向となった.[結論] 低血糖閾値は持続的な高血糖により上昇し, 低血糖の既往によりそれは低下する.そして低下した低血糖閾値は低血糖を回避することで, 逆に上昇した低血糖閾値は血糖コントロールにより改善傾向へ向かうと思われる.