- 著者
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小野田 教高
- 出版者
- 公益社団法人 日本超音波医学会
- 雑誌
- 超音波医学 (ISSN:13461176)
- 巻号頁・発行日
- vol.36, no.4, pp.469-476, 2009 (Released:2009-07-28)
- 参考文献数
- 22
数多くある甲状腺,副甲状腺の画像診断の中で,超音波検査は最も感度がよく侵襲も無いことから,ファーストチョイスの検査と位置付けられている.甲状腺の場合,Bモードによる質的な診断のみならず,カラードプラ法による血流情報を加味することで,機能的な評価も可能となっている.現時点で,超音波検査を駆使しても鑑別に苦慮する疾患として,濾胞癌と濾胞腺腫,軽症のバセドウ病と無痛性甲状腺炎がある.一方,副甲状腺は,超音波検査で観察された場合は,病的な腫大と判断出来るが,発生学的に位置異常が多く,広範囲の観察が必要である.各種疾患に対して,PEIT(経皮的エタノール注入療法)が適応されており,侵襲の少ないことから注目されている.甲状腺,副甲状腺超音波検査は,今後多くの臨床家によって普及されることが望まれる.