著者
半澤 晋二 小野田 昇 寺尾 一木 崎尾 秀彰
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.116-119, 1997-03-15 (Released:2008-12-11)
参考文献数
5

巨大卵巣嚢腫のため,仰臥位での睡眠が困難な症例の周術期管理を経験した.術前にあらかじめ約35lの嚢腫内容液を排除したところ,仰臥位での睡眠が可能となった.手術を全身麻酔下に開始したが,嚢腫内容液の吸引により血圧は低下し,昇圧薬と急速輸液で対処した.同時に低酸素血症を呈したため,一時的に高濃度酸素吸入を行なった.術前排液量を含めた摘出臓器重量は53kgであった.術後は集中治療部にて管理したが,入室8時間後に血圧低下をきたした以外,呼吸・循環系は安定しており,術後2日目に集中治療部を退室し,後日軽快退院した.