著者
山根 隆志 松田 兼一 山本 健一郎 西田 正浩 小阪 亮 丸山 修 山本 洋敬
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

緊急に除水が必要な患者から,簡便かつ安全に除水する可搬型除水システムを開発し,在宅医療や被災地医療にも役立つ装置の構築をめざす.本研究では透析液が不要な濾過方式を採用し,血液回路には羽根直径3cmの小型遠心ポンプを採用した.溶血試験では,1号機の溶血率は市販体外循環ポンプの3/10程度から,2号機では1/20程度に改善したが,摩耗に注意すべきことがわかった.模擬血栓試験ではピボット周辺以外に血栓は観察されなかった.さらに今回の血液濾過実験では,血流流量および濾液流量を一定に維持できたが,今後,長時間使用では中空糸目詰りやファウリングによって性能が劣化しないことを引続き立証する必要がある.