著者
菱沼 昭 小飼 貴彦
出版者
獨協医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

胚内の間葉系細胞に発現する HMGA2 は腫瘍細胞の分化マーカーとして注目されている。我々の多種の甲状腺腫瘍での発現の検討から、HMGA2 の悪性腫瘍での選択的な発現が示された。また、分化型甲状腺癌である濾胞癌は、しばしばその診断に困難を伴うが、術後組織のHMGA2免疫染色の結果が確定診断や予後予測に応用できる可能性が示唆された。一方、甲状腺癌培養細胞モデルを用いたトランスクリプトーム解析から、発癌を促進する変異サイログロブリンが、HMGA2 の発現を介して数種の細胞増殖関連遺伝子を誘導するという当初の仮説を裏付ける結果を得ることが出来た。