著者
山野 貴史 杉野 赳浩 尾畑 十善 廣瀬 美香 坂田 俊文 中川 尚志
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.164-170, 2016-09-01 (Released:2017-09-01)
参考文献数
8

帯状疱疹ウイルス感染による下位脳神経障害が原因で嚥下障害を来した症例を経験したため報告する。初診時に左軟口蓋麻痺、カーテン徴候、左咽頭筋麻痺、咽頭クリアランスの左右差を認め、迷走神経麻痺からの嚥下障害と判断した。30 日後の診察時でも軟口蓋麻痺の残存があり、初診時には認めなかった患側の声帯麻痺が確認されたが、咽頭収縮筋の機能は改善したため、早期に経口摂取可能になったものと思われた。