著者
尾藤 章雄
出版者
山梨大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践学研究 : 山梨大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 = Journal of Applied Educational Research (ISSN:18816169)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.73-80, 2021-03

山梨大学の教員養成課程に入学した大学 1年生が、我が国の都道府県の名称と位置をどの程度正しく認知しているかについて 2016年の山梨大学新入生 95名を対象に 20府県について検討した。すべてを正答した学生は全体の 21.1%で帝国書院の中学生の47都道府県全部を正答した比率とほぼ同じで、東北、関東或いは四国・九州地方での認知が曖昧になる傾向があった。地方ブロック内で複数の県の位置が相互に誤認される傾向は東北地方と四国地方にみられ、隣接する特定の県とだけ誤認される傾向は関東(特に北関東)と鳥取、島根両県にみられ、帝国書院の報告で明らかにされた全国の中学生、高校生の傾向と一致した。大学生の正答率の低下は誤答率の増加に繋がり、無答率はほぼ 20%以下と低水準で大学入試を経て県名の認知は高校生よりは大幅に向上している。
著者
尾藤 章雄
出版者
山梨大学教育学部
雑誌
山梨大学教育学部紀要 (ISSN:24330418)
巻号頁・発行日
no.31, pp.63-75, 2021-02-22

投稿写真の共有を目的とする代表的なSNSアプリケーションであるInstagramにおいて、若者が投稿した特定の場所を撮影した写真に基づいて、現地調査を交えてその場所が持つ特徴を検討した。Instagramにおいて「ハッシュタグ+場所名(#場所名)」による検索で投稿数が1万件を超える場所を、兵庫県淡路市、香川県琴平市・観音寺市、および香川県小豆島内の小豆島町・土庄町から6箇所選定して分析した結果、若者によく知られている、希少価値がある、カラフルな色彩を呈する、舞台となるしつらえがある、という4つの特徴を持つ場所が特に注目されること、さらにそれら4つの特徴の幾つをあわせ持つかによって、若者にとってのその場所の価値が推定できることが明らかになった。