著者
清藤 佐知子 宮内 一恵 池辺 琴映 清水 弥生 山下 夏美 谷水 正人
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.739-746, 2017 (Released:2017-11-10)
参考文献数
19
被引用文献数
1

【目的】がん患者および家族のセクシュアリティに対する医療者の認識と支援の実態を明らかにする.【方法】2014年5月に四国がんセンターの医療者538名を対象に無記名自記式質問紙調査を行った.【結果】457名(84.9%)より有効回答を得た.セクシュアリティに関する支援経験があるのは29.8%で,67.0%が支援必要性を認識していた.支援経験や勉強会参加経験がある群では,支援必要性「認識群」の割合が有意に多かった.「認識群」が支援にためらいや困難を感じる理由では,患者から相談される機会がない93.5%,患者が介入を必要としているかどうかわからない89.2%,知識不足89.2%,スキル不足88.9%が多かった.「認識群」で知識や情報を得る方法として最も希望が多かったのは,患者や家族に紹介できる本やパンフレット96.4%だった.【結論】今後は医療者全体で支援必要性を認識し,取り組んでいく必要がある.