著者
飯野 京子 長岡 波子 野澤 桂子 綿貫 成明 嶋津 多恵子 藤間 勝子 清水 弥生 佐川 美枝子 森 文子 清水 千佳子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.127-138, 2019 (Released:2019-06-21)
参考文献数
11
被引用文献数
1

【目的】がん治療を受ける患者に対する看護師のアピアランス支援の実態と課題および研修への要望を明らかにすること.【方法】がん診療連携拠点病院等の看護職2,025名に郵送法による無記名自記式質問紙調査を実施した.調査内容は支援94項目,研修への要望等について多肢選択式,自由記述にて回答を求めた.分析は,記述統計量の算出,「支援の種類の多さ」に影響する因子のロジスティック回帰分析を行い,自由記述は質的記述的に分析した.【結果】分析対象は726名(35.9%),平均年齢42.5(24〜62) 歳であった.94項目中93項目の支援を提供していた.支援の種類の多さに影響する因子は,多様な情報収集および支援への自信などであった.アピアランス支援の課題・研修への要望は17項目生成され,「アピアランス支援の標準化」等,多様であった.この結果をもとに,医療従事者の研修プログラムの構築を検討する予定である.
著者
飯沼 壽孝 加瀬 康弘 塩野 博己 北原 伸郎 広田 佳治 清水 弥生 福田 正弘
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.91, no.9, pp.1358-1365, 1988
被引用文献数
2

1. 小児副鼻腔炎179症例のウォータース法によるX線写真を対象として,画像上の撮影角度,上顎洞の病変,上顎洞骨壁の所見を分析した.<br>2. 撮影実施時の撮影角度が成人に準じて適正であっても画像上の撮影角度は過半数において過剰であり,その傾向は幼少児に強い.<br>3. 画像上での撮影角度の過剰は軽度病変において見掛け上での陰影増強を来しうるが中等度以上の病変の陰影には影響を来さない.<br>4. 小児副鼻腔炎の画像上での病変は約70%で左右対称的であり,その傾向は幼小児に強い.<br>5. 上顎洞壁の不鮮明な所見の出現率は,上顎洞上壁内方で18.4%,同外方で17.3%,頬骨陥凹部で24.6%,頬骨歯槽突起線で1.1%である.<br>6. いずれかの部位で洞壁が不鮮明となる率は軽度病変で16.2%,中等度で47.8%,高度で72.0%となり,画像上での病変が高度になるに従って洞壁の所見は不鮮明となる.<br>7. 小児におけるウォータース法では,成人における撮影角度(耳眼面に対して45度)を修正し,3-4歳では20-25度とし,以降は年齢と小児の個体としての発育に合わせて,10歳以降ではじめて成人なみとする.<br>8. 小児副鼻腔炎のX線診断では,合併症や悪性腫瘍の疑いがない場合は,4-6歳まではウォータース法のみでもよく,7-9歳以降は症例に応じてコールドウェル法を併用する.<br>9. 他の画像診断として,上顎洞内の貯留液の有無に関してはAモード超音波検査法が有用である.<br>10. 小児副鼻腔炎の画像診断にはX線診断法に超音波診断法を組み合わせることで経過観察と治療効果の判定がより簡単となろう.
著者
小山内 正博 舘川 康任 田村 麻美子 清水 弥生 新井 美紗 渡辺 裕介 福山 勝彦 秋山 純和
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.91-94, 2010 (Released:2010-03-26)
参考文献数
19
被引用文献数
1

〔目的〕姿勢変化に伴う側腹筋の活動を超音波画像診断装置と表面筋電図法で検証することである。〔対象〕健常成人9名であった。〔方法〕背臥位で安静呼吸と最大呼出の筋厚と筋活動を測定後,体幹を前傾位,中間位,後傾位で,各円背位と伸張位の6種類の坐位姿勢をとらせて再度測定した。〔結果〕最大呼出時に筋電図は,内腹斜筋だけが中間位伸張に対し前傾位円背,中間位円背,後傾位円背で有意差を認めた。安静吸気時は,筋厚で内腹斜筋に中間位伸張に対し前傾位円背,前傾位伸張,後傾位円背で有意差を認めた。〔結語〕中間位伸張は内腹斜筋の姿勢保持筋としての活動に関与しない姿勢と考えられる。最大呼出時の筋電図から内腹斜筋は呼気筋としての機能を発揮しやすい姿勢と考えられる。
著者
清藤 佐知子 宮内 一恵 池辺 琴映 清水 弥生 山下 夏美 谷水 正人
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.739-746, 2017 (Released:2017-11-10)
参考文献数
19
被引用文献数
1

【目的】がん患者および家族のセクシュアリティに対する医療者の認識と支援の実態を明らかにする.【方法】2014年5月に四国がんセンターの医療者538名を対象に無記名自記式質問紙調査を行った.【結果】457名(84.9%)より有効回答を得た.セクシュアリティに関する支援経験があるのは29.8%で,67.0%が支援必要性を認識していた.支援経験や勉強会参加経験がある群では,支援必要性「認識群」の割合が有意に多かった.「認識群」が支援にためらいや困難を感じる理由では,患者から相談される機会がない93.5%,患者が介入を必要としているかどうかわからない89.2%,知識不足89.2%,スキル不足88.9%が多かった.「認識群」で知識や情報を得る方法として最も希望が多かったのは,患者や家族に紹介できる本やパンフレット96.4%だった.【結論】今後は医療者全体で支援必要性を認識し,取り組んでいく必要がある.