著者
山下 陽子 山下 太利
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.183-188, 1981-07-31 (Released:2018-01-21)

小学校低学年児童の各教科の成績の間には相関関係があることは,各方面で指摘されていることである。ただ,実際のデータにもとづいてこのことを確認しその実態について報告されたものはほとんどない。筆者らは,小学校2年生の児童の各教科成績の学期ごとの平均値を用いて,各教科成績間の相関係数を計算し相関の程度とその原因を検討した。その結果,小学校低学年では,国語・社会・算数・理科の諸教科間は相関が高く,これら教科と音楽・図工・体育との間の相関は低いことがわかった。音楽・図工・体育の3教科相互間の相関も低い。またこれら実技教科でも,ペーパーテストが加わると国語との相関が高くなる。文章読解力や文章表現力等の国語の基礎学力が各教科の成績に及ぼす影響が大きいことも確認できた。