著者
山下 樹子
出版者
三田図書館・情報学会
雑誌
Library and information science (ISSN:03734447)
巻号頁・発行日
no.66, pp.61-80, 2011

原著論文【目的】本論文の目的は, 「教育・研究支援」という短期大学図書館の機能に対する, 図書館員と学長, 事務部長の認識を明らかにすることである。【方法】2008年6月から9月にかけて, 大学との共用ではない短期大学図書館を持つ, 日本国内全ての218短期大学の図書館員と学長, 事務部長を対象に質問紙調査を実施した。調査では1)資料保存・管理, 2)相互利用, 3)利用拡大, 4)オンラインサービスの導入, 5)図書館員による教育活動, 6)図書館員の学習・研究支援, 7)図書館スペースという7 分野につき, 14の質問に回答してもらった。有効回答数は図書館員146, 学長110, 事務部長124であった。【結果】図書館員が学長および事務部長よりも重要視した項目は「図書館員の学習・研究支援」の中のレファレンスサービス業務であった。図書館員が事務部長よりも重要視したものは6項目で, 「資料保存・管理」の中の社会的資料センターとしての役割, 「相互利用」の中の学外資料の利用, 「オンラインサービスの導入」の中のウェブ上でのOPAC公開と, 図書館ホームページの開設, 「図書館員による教育活動」の中の図書館利用指導, 「図書館員の学習・研究支援」の中の図書館員を中心とした蔵書構築であった。学長が図書館員よりも重要視したものは「資料保存・管理」の中の社会的資料センターとしての役割と, 「利用拡大」の中の図書館の学外への開放の2項目であった。