著者
永松 大 山中 雪愛
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.57-62, 2018-08-31 (Released:2019-05-10)
参考文献数
15

ハマナスは植栽の一方で,自生個体群は各地で希少化している。日本海側自生南限地帯である鳥取市白兎海岸のハマナス群落の現状を詳細に調査し,1988 年の学術調査と比較して分布南限での 28 年間の変化,保全効果と課題を検討した。その結果,群落の縮小はみられないが,被度が低くなっていた。以前多かったネザサは保全活動により大幅に減少したが,新たに多くの内陸性植物が定着し,特にチガヤの影響が懸念された。ハマナス群落維持と内陸性植物の抑制には継続的な砂丘砂の供給が望ましく,過去の人為改変により海岸砂丘から切り離された白兎海岸のハマナス群落では,その役割を人間が果たすことが必要と思われる。
著者
永松 大 山中 雪愛
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.57-62, 2018

<p>ハマナスは植栽の一方で,自生個体群は各地で希少化している。日本海側自生南限地帯である鳥取市白兎海岸のハマナス群落の現状を詳細に調査し,1988 年の学術調査と比較して分布南限での 28 年間の変化,保全効果と課題を検討した。その結果,群落の縮小はみられないが,被度が低くなっていた。以前多かったネザサは保全活動により大幅に減少したが,新たに多くの内陸性植物が定着し,特にチガヤの影響が懸念された。ハマナス群落維持と内陸性植物の抑制には継続的な砂丘砂の供給が望ましく,過去の人為改変により海岸砂丘から切り離された白兎海岸のハマナス群落では,その役割を人間が果たすことが必要と思われる。</p>