著者
山北 満哉 安藤 大輔 佐藤 美理 秋山 有佳 鈴木 孝太 山縣 然太朗
出版者
日本運動疫学会
雑誌
運動疫学研究 (ISSN:13475827)
巻号頁・発行日
pp.2204, (Released:2023-03-31)

目的:山梨県甲州市において実施した骨強度調査の取組について,PAIREM(Plan: 計画, Adaptation: 採用, Implementation: 実施, Reach: 到達, Effectiveness: 効果, Maintenance: 維持)の枠組み(6局面)に基づいて報告することを目的とした。 方法:市内の小中学校において実施した2011~2020年の取組を対象とし,PAIREMモデルの6局面について評価した。 結果:計画:骨強度調査は別調査の追加調査として計画され,市内の希望校を対象として実施されたが,骨強度調査の具体的な到達目標は設定していなかった。採用:10年間で中学校による協力の申し出(採用)がなくなったものの,小学校では61.5%から84.6%に増加した。実施:骨強度調査の結果を活用した健康教育が展開されるとともに,学校保健委員会(5校,計7回/10年)及び骨の研究部会(5回/10年)において骨強度に関する情報提供が行われた。到達:対象とした7,362人のうち,7,200人(97.8%)の高い到達度で骨強度を測定できた。全対象児童(100%)に対して、骨強度に関する情報提供が行われた。効果:具体的な到達目標が設定されていなかったため,骨強度に対する骨強度調査の効果(目標達成度)を評価することができなかった。継続:参加校における10年間の平均継続年数は8.36(標準偏差2.2)年であったが,個人に対する取組の長期的な継続効果については検討できなかった。 結論:学校における骨強度調査の取組により高い到達度で健康教育を実施できる可能性が示された。今後は健康教育の詳細を把握するとともに,骨強度に関する具体的な数値目標を設定し,その達成を目指した取組を実施することが課題である。