著者
山原 裕之
出版者
立命館大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

これまでの研究成果をベースに、より精度の高い行動検知と適切なタイミングでのサービス提供の実現のために以下の項目に取り組んだ。(1)多様なユーザの習慣の違いの影響を受けないように、行動検知アルゴリズム中の閾値にユーザごとに適切な値を自動的に設定する手法。(2)falseサンプルを用いた行動パターン洗練手法。(3)サービス提供の適切なタイミングの決定手法の検討。当初、項目(3)ではなく(4)無線通信機器を活用した家の中での位置情報推定手法とユーザの物体への接触情報を組み合わせた新しい位置情報推定手法に取り組む予定であったが、科研費が申請額より減額されたことで通信機器およびセンサ類の購入が難しくなったため、項目(4)に代わり次年度の研究計画に盛り込んでいた項目(3)を実施することとした。この計画変更に関しては、科研費申請時の研究計画にて報告済みである。全体として、項目(1)および(3)の研究の進展によって研究成果を発表する機会を多く得たため、項目(2)に関する発表が本年度中に間に合わなかった。これに関しては、現在、投稿準備中である。また項目(4)に関して、本年度の研究計画としては扱わなかったものの、特別研究員および科研費の予算外での活動として、パッシブ型RFIDタグを用いた位置・歩行情報取得システムの開発および実験を行った。上記の内容に関して、計5件の論文が採択され、さらに3件の論文を論文誌に投稿中である。当初の計画どおり、CEATEC JAPANおよびTRONSHOWの2つの展示会で研究を展示発表し、研究者のみならず一般の様々な方から多くの有益な意見を得た。また、本研究に関してTV取材を受け、2009年3月25日にNHK総合「おはよう日本」で放送された。研究計画はおおむね予定通り進行した。項目(4)に関しても、研究計画外の活動で進展した。これらの進捗状況から、全体として当初の予定以上の成果が得られたと考えられる。