著者
山口 桃生 森下 智也
出版者
静岡県立大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2017-08-25

肝線維化の有効な治療法は、いまだに見出されていない。肝星細胞(HSC)は、肝障害時に活性化し、コラーゲンを産生・分泌するようになる(活性型HSC)ため、肝線維化の責任細胞と考えられている。対照的に、静止型HSCはMMPを産生・分泌し、コラーゲンを分解することから、活性型HSCを静止型に脱活性化させることができれば、肝線維化も治療可能であると考えられる。本研究において、カフェインが、一度活性化した活性型HSCを静止型に脱活性化させること、その作用の一部にアデノシン受容体阻害作用が関与することを明らかにした。本研究成果により、有効な肝線維化治療法の開発に繋がることが期待できる。