著者
森山 優 森 茂樹 宮杉 浩泰 小谷 賢
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

(1)日本、アメリカ、イギリス、オーストラリアの文書館を調査し、外交・インテリジェンス関係の一次史料を収集した。従来の研究では見逃されてきた多数の貴重な史料を発掘できた(2)これらの史料を整理して、その一部をデータベース化した。(3)先行研究を収集して、問題点を検討した。(4)収集した史料を総合し、日本の情報戦に関する理解を深化させた。(5)成果の一部を学会報告・論文・書籍、マスコミ取材等で発表・発信し、学界のみならず一般社会に向けて研究の意義を強調した。
著者
浜 由樹子
出版者
静岡県立大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
巻号頁・発行日
2019

本研究は海外の研究機関での国際共同研究を計画の基本としているが、新型コロナ・ウィルス感染症の世界的な拡大を受け、予定していた期間中の渡航が叶わず、また、所属予定の機関でも海外からの研究者の受け入れを停止しているため、2020年度はほとんど進展をみることができなかった。参加を予定していた国際学会もすべて延期・中止となったので、学会での成果の発表やフィードバックを受けることもかなわなかった。渡航前にできることとして、共同研究者へのプロポーザルとして、英語での論文執筆を進めているが、ロシアでの(公文書を含む)一次資料の補強ができない状況であるため、基課題で収集済みの二次資料に大きく依拠するものとなっている。新たに入手した二次資料を整理し直す過程で、書評を1本、論文を1本執筆したが、これらは掲載待ちの状態で、未刊行である。今後、渡航の目途がいつ頃立つのかがまったく不透明だが、オンラインでも実施可能な海外の研究者との共同研究の形態、内容の修正を考えていく必要があるだろう。また、ネオ・ユーラシア主義とも地政学とも関係の深い「ファシズム」概念を、ロシアの地域的文脈の中で再検討するという方向に研究テーマを展開させており、研究の重層化を試みているところである。これは、アジア、とりわけ日本においても重要なトピックであるため、本研究の目的の基本路線は同じでありながらも、より広がりと厚みを持たせることにつながると見込んでいる。この研究成果は、2021年度中に刊行予定である。
著者
石川 准 松原 聡 湯瀬 裕昭 菊池 尚人 松原 洋子 山口 翔 南谷 和範 河村 宏
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

100名の参加者による共同自炊型電子図書館実証実験を行った。情報提供施設に裁断・スキャン・OCR作業を委託し、3年間で1052冊をテキスト化した。参加者へのアンケート調査を毎年実施し、満足度や課題について分析を行った。参加者のコミットメントとインセンティブに影響を与える要素を検証するため、見出しマークダウン対応の読書アプリの作成や、OCR認識精度向上のための誤り補正ソフトウェアの開発を行い、その有効性を検証した。アメリカのBookshare、フランスの国立国会図書館、ジュネーブ国際電気通信連合において現地調査を実施し、電子書籍のアクセシビリティを推進するための制度・政策に関して知見を得た。
著者
今井 康之 黒羽子 孝太 渡辺 達夫
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

化学物質アレルギーにおいて、抗原感作を強める作用(アジュバント作用)の機構には不明な点が多い。マウス接触性皮膚炎モデルにおけるフタル酸エステルのアジュバント機構について、侵害刺激受容チャネルTRPA1の重要性を明らかにした。作動活性のある既知の天然物、アンタゴニストを用いた実験結果も上記の機構を支持した。アジュバント物質の予測において、TRPA1作動活性の検索が有用であることを、化粧品や薬剤処方に汎用されている代替可塑剤を題材として明らかにした。
著者
森田 克徳
出版者
静岡県立大学
雑誌
経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部/学報 (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.33-44, 2007-03-20

This paper clarifies details and corporate principles of the establishment of Nissin Food Products by Momofuku Ando. And, the development of "Chicken ramen" is discussed with the construction of the sales route. In addition, the factor that the achievement descends though "Chicken ramen" is possessed is examined, and details of development and the demand creation of the product development and the sales route of "Cupnoodle" are examined.
著者
西田 公昭 山浦 一保 渡辺 浪二 角山 剛
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

人権擁護の側面から、集団活動の健康度を心理学的に明らかにし、その集団虐待的な経験実態を探ること、また現在、不健康な集団活動への対策が大学においていかになされているかを実証的に明らかにした。その結果、一般にカルト経験者は、テロリスト同様の明らかに逸脱した不健康な活動を多く行っており、また約4 割の大学でカルト事例があるがその予防対策は十分ではない。
著者
尹 大栄 加藤 明
出版者
静岡県立大学
雑誌
経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部/学報 (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.1-19, 2008-03
被引用文献数
1

本研究は、世界3天眼鏡産地の日本(福井・鯖江)、イタリア(Belluno)、中国(温州、深川)のうち、日本とイタリアの比較分析を試みたものである。近年、日本唯一の眼鏡産地である福井・鯖江地域が危機的な状況に直面しているのとは対照的に、イタリアのBelluno地域は世界の眼鏡産業をリードする好調ぶりを見せている。本研究の主なねらいは、この両地域の明暗を分けた要因を明らかにし、地場産業の盛衰プロセスに関する理論的・実践的なインプリケーションを探ることである。
著者
剣持 久木 近藤 孝弘 西山 暁義 川喜田 敦子 吉岡 潤
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、ドイツ、ポーランド、フランス各地で、歴史博物館、教科書対話そして学術交流の現状を視察し、各国から専門家を招請して、数多くのシンポジウムを開催してきた。その結果、ヨーロッパ公共圏の形成の展望とともに、現在依然存在している限界の実情も確認できた。本研究の成果は、2016年度中に公刊予定の論文集に掲載する予定である。そこでは、独仏(西山)、独ポ(吉岡)国境地域の歴史博物館、ドイツ(川喜田)とフランス(剣持)における歴史教養番組、さらには歴史娯楽教育(近藤)の分析に加えて、ドイツ、ポーランド、フランスの研究者からの寄稿も予定している。
著者
鈴木 康夫 COLMAN Peter WEBSTER Robe PETER M.Colm ROBERT G.Web COBMAN Peter
出版者
静岡県立大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1991

本研究は、インフルエンザウイルス膜抗原であるヘマグルチニン(HA)およびノイラミニダーゼ(NA)の分子進化にともなう宿主細胞側の受容体シアル酸含有糖鎖認識機構の解析を目的としたものである。本研究では特に、HAおよびNAの分子進化に伴う宿主細胞膜シアロ複合糖鎖認識の変化の機構を分子・遺伝子レベル、3次元的に解明することに焦点を当てた。また、本研究の成果からインフルエンザウイルスの変異に関係しない広域性ワクチン開発への実験的基盤を作るための応用研究も同時に行った。以下に過去3年間に得られた結果を述べる。1、先ず、全てのインフルエンザウイルス株であるインフルエンザA,BおよびC型ウイルスのヘマグルチニン(C型ウイルスはヘマグルチニン-エステラーゼ)が認識する受容体シアロ糖鎖構造の詳細を初めて明らかにした。これは、我々が天然から得たシアル酸含有糖鎖パネル(70種以上)および化学合成シアロ糖鎖を用いることにより達成された。また、同時に受容体破壊酵素であるNA(A,B型)および9-0-アセチルノイラミネートエステラーゼ(C型ウイルス)が認識する基質特異性についても明らかにした。2、A型インフルエンザウイルスヘマグルチニンの全ての亜型(H1-H13)の遺伝子における塩基配列およびそれらがコードするアミノ酸配列を初めて解明した。さらに、これらが認識する受容体シアロ糖鎖の構造を調べたところ全てのヘマグルチニン亜型は共通してラクト系IおよびII型糖鎖を強く認識すること、ヘマグルチニンの分子進化による認識の変異はシアル酸の結合様式(2-3,2-6)に現れることを発見した。3、インフルエンザウイルスNAの新しい拮抗阻害剤(Neu5Ac2-S-3Galβ1-4Glcβ1-Ceramide、チオグリコシド結合を持つガングリオシド)を見いだし、これがウイルスNAのシアル酸結合ポケットに入り、ポケット中の数種のアミノ酸(Asn294,Arg292,Arg371,Arg118,Glu119,Glu276)と水素結合や疎水結合により結合することをX線結晶解析により初めて明らかにした(共同研究者であるPeter Colman博士「CSRIO、オーストラリア」との共同研究で成し遂げた)。いままで、インフルエンザウイルスNAのシアル酸との結合研究は遊離のシアル酸との結合を3次元的に解析しており、本研究により
著者
鈴木 康夫 フォン・イツスタイン マ プラニー タワ ショートリッジ ケネディ 河岡 義裕 ウェブスター ロバート・ SHORTRIDGE Kenney F. THAWATSUPHA Pranee WEBSTER Robert G. ITZSTEIN Mark von ITZSTEIN Mar THAWATSUPHA プラニー SHORTRIDGE K WEBSTER Robe
出版者
静岡県立大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1997

本研究の目的は2年間でアジアにおける新変異インフルエンザウイルスの出現機構をあきらかにし、その制御についての可能性を探ることである。過去2年間において以下に述べる主要実績が得られ、本研究の目的は充分達成されたと考えられる。1)ヒト、トリ、ブタ、ウマなどインフルエンザウイルスのアジアにおける主たる宿主から分離されるすべてのインフルエンザウイルスに対する共通の受容体糖鎖構造を初めて明らかにした。2)インフルエンザウイルスは宿主に存在する受容体シアロ糖鎖のシアル酸分子種、結合様式による選択を受けつつ進化することを明らかにした。3)ヒトの気道上皮細胞が持つ受容体シアル酸の結合様式は、Neu5Ac2-6Galのみであり、2-3は存在しないこと、トリ腸管、ウマ気道上皮細胞には,Neu5Ac2-3Galのみが存在し、2-6は存在しないことを見いだした。さらに、ブタの上気道には、Neu5Ac2-3Gal,Neu5Ac2-6Galの両者が存在することを初めて見いだした。一方、ヒトから分離されるインフルエンザウイルスは、Neu5Ac2-6Galを受容体として認識し、2-3とは結合しないこと、トリA型インフルエンザウイルスはNeu5Ac2-3Galと結合すること、ブタから分離されるA型ウイルスはNeu5Ac2-6GalとNeu5Ac2-3Galの両者と結合できることを認めた。この結果から、インフルエンザAウイルスの宿主域は、宿主動物の受容体シアロ糖鎖のシアル酸結合様式(2-3,2-6)により制御され、受容体に結合できる変異ウイルスが選択され、宿主域の壁を越える可能性を明らかにした。4)ヒト、ブタ、トリが共生するアジアではブタがトリおよびヒトインフルエンザウイルスのミキサーとして働いていることを受容体分子のレベルで解明した。5)ウイルスヘマグルチニン遺伝子の解析から、宿主域変異(トリ型→←ヒト型)に関わるシアル酸の結合様式の変異(2-6→2-3)には、ヘマグルチニン分子内レセプター結合ポケットにあるただ1つのアミノ酸226(Leu→Gln)の変異により制御されていることを初めて解明した。上記の結果は、本研究の目的が概ね達成され、さらに付加的な研究結果も得られたことを示している。
著者
平山 洋
出版者
静岡県立大学
雑誌
国際関係・比較文化研究 (ISSN:13481231)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.408-400, 2012-03