著者
山口 龍二 広田 喜一
出版者
関西医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

デオキシグルコース(2DG)とABT-263(ABT)という二つの薬を体内に投与するとグルコース代謝が進んでいる細胞でストレスがかかり、さらにABTを投与すると相乗的相互作用が働き細胞死に誘導されます。体内でグルコースの代謝が進んでいるのは過剰な運動をしたときの筋肉細胞、脳細胞、そしてがん細胞ですが、ABTは脳・血管関門を通れないため通常細胞死に誘導されるのはがん細胞だけです。しかしこの治療の効率は腎癌で低いのでその理由を解明すると、腎癌ではAKTが異常に活性化し、細胞死を抑制していました。AKTをbeta-cyclodextrinで抑制すると2DG-ABTの効率が上がりました。