著者
山岸 知彦
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.19-28, 2015 (Released:2018-03-10)
参考文献数
54

本稿では、都市公園池の整備状況と公園池における水質問題を整理し、今後の水質改善対策における検討課題についてまとめた。富栄養化した公園池では、アオコ(藍藻類の異常増殖)が発生し、景観の劣化、悪臭等の水質問題を引き起こしている。そのために、効果的かつ経済的な水質改善対策が必要とされている。しかしながら、富栄養化した公園池における植物プランクトンの現存量や種組成の変遷に関する報告は、湖沼等と比べると非常に少ない。さらに、公園池に導入されている水質改善手法の定量的効果の評価に関する研究もほとんどない。今後は、生態系に悪影響を与えない、効果的かつ経済的な水質改善対策を展開するために、その基本となる植物プランクトンの種組成の変遷を含めた改善手法の研究が必要である。