著者
近藤 正義
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.3-12,19, 1964-06-15 (Released:2010-02-26)
著者
永田 貴丸 花里 孝幸
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.119-128, 2017 (Released:2018-03-10)
参考文献数
24

本研究では、植食性の小型動物プランクトン群集に及ぼす藻類密度とケンミジンコの捕食の複合影響をメソコスム実験で評価した。実験の結果、藻類密度が低い場合には、小型動物プランクトンはケンミジンコの捕食影響を強く受けた。一方、藻類密度が高い場合には、ケンミジンコの捕食の有無にかかわらず、小型動物プランクトンのうち、特にワムシ類は高密度になった。これは、餌が十分にあったため、ワムシ類の増殖率が高まり、その高い増殖率でケンミジンコの捕食による個体群損失を補えた結果と考えられた。また、ワムシ類と餌の競合関係にあるミジンコ類が、ケンミジンコの捕食によって優先的に抑制されたことも、ワムシ類にとっては好適に作用したと考えられた。本研究は、富栄養湖における小型動物プランクトンの群集構造の決定には、餌藻類量だけでなく、群集内の生物間相互作用(捕食と競争)が大きく関与することを明らかにした。本結果は、動物プランクトン群集内におけるワムシ類への他生物の干渉を抑え、水処理システム等でワムシ類の摂餌能力を効率的に活かすための重要な情報となるだろう。
著者
藤林 恵 Woo-Seok Shin 長濱 祐美 相川 良雄 西村 修
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.141-144, 2012 (Released:2018-03-10)
参考文献数
14

土壌に添加した易分解性有機物が分解される際に、土壌に元から含まれる有機物の分解が促進される現象をプライミング効果と呼ぶ。本研究では淡水産巻貝マルタニシが這う際に残す粘液がプライミング効果を引きこすか実験を行った。スクロースを寒天で固めたものと、水田から採集された底泥を有機物源として用いて、両有機物源の表面にマルタニシを這わせ粘液を塗布したものと粘液のないものを準備し、それぞれの有機物分解量をクーロメーターで評価した。その結果、両サンプルにおいて粘液を含む系で酸素消費量が多く、有機物の分解量が多くなることが示された。マルタニシの這う際に残す粘液はプライミング効果を引き起こすことが明らかとなった。
著者
山岸 知彦
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.19-28, 2015 (Released:2018-03-10)
参考文献数
54

本稿では、都市公園池の整備状況と公園池における水質問題を整理し、今後の水質改善対策における検討課題についてまとめた。富栄養化した公園池では、アオコ(藍藻類の異常増殖)が発生し、景観の劣化、悪臭等の水質問題を引き起こしている。そのために、効果的かつ経済的な水質改善対策が必要とされている。しかしながら、富栄養化した公園池における植物プランクトンの現存量や種組成の変遷に関する報告は、湖沼等と比べると非常に少ない。さらに、公園池に導入されている水質改善手法の定量的効果の評価に関する研究もほとんどない。今後は、生態系に悪影響を与えない、効果的かつ経済的な水質改善対策を展開するために、その基本となる植物プランクトンの種組成の変遷を含めた改善手法の研究が必要である。
著者
福田 朱里 内海 真生 杉浦 則夫 佐竹 隆顕
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.9-18, 2007 (Released:2018-03-10)
参考文献数
28

筑波大学構内の沼沢「松美池」において淡水産巻貝有肺類であるサカマキガイ(Physa acuta Draparnaud)とヒメモノアラガイ(Austropeplea ollula Gould)は同じnicheを占める競争関係にあり、ともに歯舌を用いて大型水生植物表面の付着性藻類を摂食している。同じ資源を巡る複数種においては、その体サイズの相違によって食い分けを行うことで食性を分化させ種間競争を回避する方法が知られているが、松美池では両種のサイズ分布に年間を通じてほとんど差がないことが演者らにより明らかにされている。そこで本研究では同所的に生息している両貝において、餌となる池の付着性・浮遊性ケイ藻類と両貝が摂食したケイ藻類組成の季節変動を比較することで、両個体群が共存するために食い分けの戦略をとっているのか考察した。対応分析を用いて6-12月の貝の腸管内のケイ藻類と池の付着性・浮遊性ケイ藻類の属構成を解析した結果、貝の食性は付着性・浮遊性ケイ藻類の季節変動より変化に富んでいた。選択指数の解析により、選択的に摂食したケイ藻類の属数は、サカマキガイよりヒメモノアラガイのほうが多いことが示された。本研究により、サカマキガイとヒメモノアラガイの食性にわずかに違いがあることが明らかとなった。2種間で明確な食い分けはないと考えられるが、2種間の食性の違いが松美池で2種が共存するための要因の1つとなっているかもしれない。
著者
松田 圭二 岩堀 恵祐
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.19-29, 2016 (Released:2018-03-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

し尿、浄化槽汚泥の性状は、し尿処理プラントの建設や運転管理における重要なファクターである。しかし、近年の性状実態を包括的に捉えた報告はみられず、適切な頻度の分析作業も困難な状況と推察される。本研究では、し尿、浄化槽汚泥に関する標準的な性状の抽出と分析作業の効率化を目的として、アンケート調査で得られた性状データ(検討項目:BOD、COD、SS、T-N、T-P、塩化物イオン)をもとに、し尿・浄化槽汚泥の性状に関する解析と検討を行った。性状データの分布は、いずれの検討項目も、正規または対数正規による非超過確率分布によく適合しており、解析で得られた非超過確率値が、し尿、浄化槽汚泥の性状設定で利用可能と判断された。また、検討項目間の相関関係から、比較的簡単に分析できるCODあるいはSSのいずれかと塩化物イオンの濃度を測定することで、他の検討項目の濃度も把握できることが示唆された。
著者
堆 洋平 李 玉友 原田 秀樹
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.57-75, 2008 (Released:2018-03-10)
参考文献数
143
被引用文献数
1

水素発酵法は,バイオマスもしくはバイオマスの加工工程から排出される有機性排水を原料とした生物学的水素生産方法であり,未来型水素エネルギー社会のための持続的な水素生産方法として注目されている。本稿は,水素発酵において重要なテーマである水素生成細菌および水素発酵プロセスに関する知見を整理し,最新の水素発酵の研究動向を紹介する。水素生成細菌に関しては,水素生成細菌の種類とそれらの水素生成能,水素生成細菌の集積方法,および混合水素発酵細菌群の構造解析に関する知見をまとめた。一方,水素発酵プロセスに関しては,既往研究で検討されてきた様々なタイプの反応槽による水素生成に関する知見,および水素発酵槽の後段にメタン発酵槽を設けた二相式水素・メタン発酵法に関する知見をまとめた。その上で今後の水素発酵の展望を述べた。
著者
朴 起里 惣田 訓 池 道彦
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.69-79, 2017

嫌気性アンモニア酸化(アナモックス)を用いた連続処理リアクターによる窒素除去に及ぼす温度の影響を予測するための数理モデルを構築した。細菌の増殖速度の最高値を与える基本温度式を熊本の下水処理施設と北海道の畜産廃水処理施設の活性汚泥をそれぞれ種汚泥とする低温型リアクターLow-R1とLow-R2のアナモックスモデルに組み込んだ。最低温度(<i>T</i><sub>min</sub>)4℃、最高温度(<i>T</i><sub>max</sub>)36℃の範囲において、Low-R1のアナッモクス細菌の比増殖速度の最大値(&mu;<sub>opt</sub>)を最適温度(<i>T</i><sub>max</sub>)26℃において0.052d-<sup>1</sup>に設定した(実験値との相関係数<i>r</i> = 0.851)。Low-R2の&mu;<sub>opt</sub>、<i>T</i><sub>opt</sub>、<i>T</i><sub>min</sub>、<i>T</i><sub>max</sub>の値は、それぞれ0.089d-<sup>1</sup>、31℃、0℃、36℃に設定した(<i>r</i> = 0.995)。熊本の活性汚泥を種汚泥とする中温型リアクターMod-Rのアナモックスモデルには典型的な指数関数式を組み、アナモックス細菌の30℃における比増殖速度を0.055d-<sup>1</sup>、温度係数を0.104℃-<sup>1</sup>に設定した(<i>r</i> = 0.987)。水理学的滞留時間0.5d、汚泥滞留時間50~150d、水温10~35℃の条件におけるアンモニウム塩50mg-N/Lと亜硝酸塩60mg-N/Lを含む理想的な廃水の処理をこの数理モデルでシミュレーションした。その結果、Low-R1とLow-R2による窒素除去率は、Mod-Rよりも10℃付近の低温において高いことが予測された。汚泥滞留時間が短い場合、Low-R1はMod-Rよりも35℃付近の高温で窒素除去率が低いものの、Low-R2は10~35℃において高い窒素除去率を維持する結果が得られた。結論として、低温型アナモックスリアクターのうち、特にLow-R2は、温和な気候条件において加温を必要としない優れた窒素除去プロセスを開発するための十分な可能性を有していることが示唆された。
著者
北澤 卓也 角野 立夫
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.11-18, 2015

2系列の従来型循環変法装置をラボスケールで運転し、その脱窒槽にアナモックス汚泥を包括固定化した担体を投入することで、硝酸還元型アナモックスプロセスにおいて窒素処理性能に及ぼすC/N比の影響の評価と長期処理安定性の維持について検討した。また、脱窒槽内におけるNH<sub>4</sub>-N濃度の推移から、アナモックスプロセスの評価を行った。水素供与体としての有機物は、メタノール(RUN1)と酢酸ナトリウム(RUN2)を供試した。その結果、CH<sub>3</sub>OH/N比1.2~2.4(RUN1)及びC/N比(酢酸)1.2~1.7(RUN2)の有機物添加量の比較的低い条件において硝酸還元型アナモックスプロセスが生じ、T-N除去率はRUN1で50~85%(平均68%)、RUN2で59~88%(平均 74%)となり、両系列で高いT-N除去率を得た。両系列でC/N比を約1.5倍に増大するとT-N除去率の大幅な向上は見られなかったが、処理水のT-N濃度は安定した。両系列の脱窒槽内におけるNH<sub>4</sub>-N濃度は、CH<sub>3</sub>OH/N比及びC/N比(酢酸)の増大前で従来法より低い傾向を示し、T-N除去率の向上はアナモックスプロセスによるものと示唆された。さらに処理運転終了時、アナモックス担体のリアルタイムPCR法による解析により、アナモックス菌群の存在が確認された。RUN1とRUN2のT-N除去率を比較すると、酢酸を用いたRUN2の系列が高い傾向を示した。また、有機物の添加量が少ない場合でも、高い窒素処理性能が得られた。
著者
Suphatchai Rujakom 篠田 健太 Tippawan Singhopon 中野 麻衣 亀井 樹 風間 ふたば
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.33-45, 2020 (Released:2020-09-15)
参考文献数
40
被引用文献数
5

水素酸化脱窒(HD)反応は亜硝酸還元に重炭酸イオンを炭素源として利用する。本研究は水理学的滞留時間(HRT)最短化に資するため、重炭酸イオン濃度の調整によって、HD反応の亜硝酸還元促進による脱窒性能の強化を検討した。重炭酸イオンを化学量論的に必要量以上添加した場合でも、HRTが短いと、亜硝酸の除去能は低いことが示唆された。添加した重炭酸イオン量により細菌群集は変化し、必要量を添加した場合ではRhodocyclaceae, Alcaligenaceae, Xanthomonadaceae科細菌が、十分量供給した条件ではThauera spp.が、それぞれ優占細菌として存在した。また、後者の条件では、亜硝酸還元遺伝子nirSの存在量が最も多く、さらにThauera spp.の分布率との間に強い相関関係があることがわかった。以上から、本研究より、HD反応においては、nirS遺伝子を持つ細菌の増殖誘導に重炭酸塩が重要な役割を持っていることが明らかになった。
著者
尾﨑 保夫 林 紀男 片桐 浩司
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.81-93, 2017 (Released:2018-03-10)
参考文献数
38
被引用文献数
1 1

沈水植物は,湖沼の水環境保全や生物多様性の維持・向上に重要な役割を果てしている。しかし、高度経済成長期以降、干拓や湖岸堤の建設、水質汚濁の進行などにより、霞ケ浦や印旛沼では、沈水植物は1990年代に消失してしまった。このため、2000年代以降、埋土種子等を活用した沈水植物の再生事業等が精力的に進められてきたが、沈水植物を持続的に生育させるのが難しい現状にある。本稿では、これらの試験結果等を基に、沈水植物の生育に与える各種環境要因の影響を検討し、今後の沈水植物再生のあり方について考察した。印旛沼では、湖底から採取した土壌シードバンクより、地域の遺伝情報を持つ26種の沈水植物が発芽・再生した。この土壌シードバンクを各種消波構造物で囲まれた水生植物再生ゾーン(水深30~70cm)等に撒き出したところ、ヒメガマなど抽水植物の侵入、泥や浮泥の蓄積およびアメリカザリガニや水鳥の食害などにより、数年で沈水植物は消失した。ヒメガマは水深70cm弱の深さまで生育することができる。一方、水深が80cm以上になると湖底に届く光量が低下し、沈水植物の発芽・再生が抑制されることが示唆された。これらの調査結果より、現在の水質汚濁状況では、沈水植物が安定生育できる場が極めて少ないことが明らかになった。このため、流域ごとに発生源対策を一層推進し、水の透視度を高めると同時に、食害動物の適正管理手法を開発することが喫緊の課題である。また、沈水植物の持続的な生育には、泥や浮泥が堆積しない中規模の攪乱が必要なことも明らかになった。沈水植物の生育に最適な場を造成するため、これまでの試験成績等を基に、多様な環境因子を組み込んだ新たなシミュレーション手法の開発と、実証試験を組み合わせた今後の順応的管理に期待したい。
著者
横山 勝一 エルフィトリアナ 白石 有里佳 上村 芳三 幡手 泰雄
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.25-31, 2000

Concentrations of nitrate and nitrite in groundwater are increasing year after year because of permeation of fertilizers and livestock drain into the ground. These nitrogen species may cause methemoglobinemia, whose characteristic symptom is cyanosis. In this study, an immobilized denitrifying bacterium was used to remove such nitrogen species from water. Ion-exchange resin, reverse osmosis membrane, electrodialysis and biological processes are the representative denitrification methods. These methods except for biological treatment cause trouble with the drain water. In biological treatment, there are two choices; autotrophic and heterotrophic denitrification. In both cases, nitrate is reduced to nitrogen gas by the bacteria. Heterotrophic bacterium requires organic carbon as the nutrient. Existence of organic carbon is not acceptable for treating drink water. In this study an autotrophic bacterium was, therefore, chosen to avoid using organic carbon.<BR>In this study, batch and continuous denitrifying experiments were carried out using <I>Paracoccus denitrificans</I>. The batch experiment was conducted in a 200m<I>l</I>-Erlemeyer flask containing 100m<I>l</I> of treating water and free or immobilized cells. The continuous experiment was carried out using a fixed bed bioreactor of 4.6cm internal diameter. In continuous denitrification, a packed bed of alginate-immobilized cells was used. In the continuous experiment, denitrification was successfully carried out for four hundred hours.
著者
松澤 宏朗 田中 靖浩 森 一博
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 = Journal [of] Japan Biological Society of Water and Waste (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.129-136, 2010-09-15
参考文献数
18
被引用文献数
1

本研究では、ウキクサ根圏より分離した11種の菌株のウキクサ根への付着性を検討し、その中から3菌株を用いて、それら菌株の環境水中におけるウキクサ根圏での残存性を検討した。まずウキクサ根への付着性に関して、無菌ウキクサ根圏へ11種の菌株を導入し、根圏で優占的に生息する菌株について検討した結果、<i>Asticcacaulis</i> sp. RS59G株が菌株導入後7日目において最優占種となった。また、この菌株はボルテックス処理(3000 rpm, 3 s)による剪断圧の負荷にも抵抗可能なウキクサ根への付着能を有していた。その後、<i>Asticcacaulis</i> sp. RS59G株を含む3菌株に、カナマイシン耐性を有するpBBR122をマーカープラスミドとして導入し、得られた遺伝子組換え菌株の無菌ウキクサ根への定着性を検討した。その結果、他の2菌株と比較して<i>Asticcacaulis</i> sp. RS59G:pBBR122株は非常に多くの生菌数を無菌ウキクサ根圏において維持可能であることが明らかとなった。その後、環境水中の複数の微生物共存下における3菌株のウキクサ根圏での消長を調べた。その結果、7日間の実験期間にわたって、いずれの遺伝子組換え株もウキクサ根圏に汚染物質の浄化が可能な生菌数で残存可能なことが明らかとなった。特に、<i>Asticcacaulis</i> sp. RS59G:pBBR122株は、残存性試験初期において非常に多くの生菌数でウキクサ根圏に生息可能であった。
著者
井上 大介 吉永 隼人 BIKASH MALLA RAJANI GHAJU SHRESTHA SARMILA TANDUKAR DINESH BHANDARI 田中 靖浩 JEEVAN B. SHERCHAND 原本 英司 清 和成
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.65-72, 2018 (Released:2018-06-15)
参考文献数
20

ネパール・カトマンズ盆地では、水源の微生物汚染が深刻な問題となっている。本研究では、カトマンズ盆地において飲用水や生活用水として主に利用されている市販の飲用ボトル水(10試料)、浅井戸地下水(10試料)、深井戸地下水(3試料)、公共水場水(1試料)、湧水(2試料)と、河川水(2試料)の計28試料を採取し、病原性細菌の存在を網羅的に調査した。ヒト、動物、植物、及び魚介類に感染する941種/グループの病原性細菌(バイオセーフティレベル(BSL)2、3の全属及び日和見感染菌)の16S rRNA遺伝子を標的とするDNAマイクロアレイを用いた病原性細菌の網羅的検出の結果、Acinetobacter属、Arthrobacter属、Brevibacterium属、Pseudomonas属、及びLegionella属が大部分の試料で検出され、一部の試料ではBSL3の病原性細菌も検出された。Legionella属及びBSL3に属するBrucella属を対象として属特異的PCRによる定量検出を試みた結果、一部の試料においてDNAマイクロアレイ解析を支持する結果が得られた。また、DNAマイクロアレイ解析において6試料以上で検出された病原性細菌を対象として、糞便汚染指標(大腸菌群、大腸菌)との関連性について検討を行った結果、そのほとんどが糞便汚染指標とは相関を示さないことが明らかとなった。本研究の成果は、カトマンズ盆地における病原性細菌汚染の解明や、詳細な調査を要する病原性細菌種の特定の一助となり得るものと考えられる。
著者
Lieu Pham Khac 波戸崎 律子 宝満 隼人 古川 憲治
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.103-112, 2005
被引用文献数
9 22

独立栄養性の窒素変換経路である部分亜硝酸化とanammoxを組み合わせた単一槽での窒素除去法 (SNAP法) で、流入水中のアンモニアを窒素ガスとして除去することができた。SNAPリアクタにはアクリル繊維性生物担体を充填し、緩やかな曝気を行うことでリアクタを混合攪拌した。埋立地浸出水の二次処理水に似せた合成浸出水のNH<sub>4</sub>-N濃度を240mg-N/<i>l</i>, 500 mg-N/<i>l</i>の二段階に設定し実験を行った。流入水NH<sub>4</sub>-N濃度を240mg-N/<i>l</i>に設定し300日間SNAP処理した結果、NH<sub>4</sub>-N変換率47.7~88.1%、T-N除去速度0.31~0.45 kg-N/m<sup>3</sup>/dという結果を得た。T-N容積負荷量0.6 kg-N/m<sup>3</sup>/d、35℃、pH7.8、曝気量0.10vvmの条件下において、NH<sub>4</sub>-N変換率88.1%、T-N除去率78.5%の処理成績が得られた。設定NH<sub>4</sub>-N濃度を500 mg-N/<i>l</i>に設定して約100日間運転し、T-N容積負荷量1.0 kg-N/m<sup>3</sup>/dの条件下において、T-N除去率約80%というSNAPの優れた処理能力を確認した。幾つかの重要なSNAPプロセスの特性について論じた。
著者
Lieu Pham Khac 波戸崎 律子 宝満 隼人 古川 憲治
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.103-112, 2005
被引用文献数
9 22

独立栄養性の窒素変換経路である部分亜硝酸化とanammoxを組み合わせた単一槽での窒素除去法 (SNAP法) で、流入水中のアンモニアを窒素ガスとして除去することができた。SNAPリアクタにはアクリル繊維性生物担体を充填し、緩やかな曝気を行うことでリアクタを混合攪拌した。埋立地浸出水の二次処理水に似せた合成浸出水のNH<sub>4</sub>-N濃度を240mg-N/<i>l</i>, 500 mg-N/<i>l</i>の二段階に設定し実験を行った。流入水NH<sub>4</sub>-N濃度を240mg-N/<i>l</i>に設定し300日間SNAP処理した結果、NH<sub>4</sub>-N変換率47.7~88.1%、T-N除去速度0.31~0.45 kg-N/m<sup>3</sup>/dという結果を得た。T-N容積負荷量0.6 kg-N/m<sup>3</sup>/d、35℃、pH7.8、曝気量0.10vvmの条件下において、NH<sub>4</sub>-N変換率88.1%、T-N除去率78.5%の処理成績が得られた。設定NH<sub>4</sub>-N濃度を500 mg-N/<i>l</i>に設定して約100日間運転し、T-N容積負荷量1.0 kg-N/m<sup>3</sup>/dの条件下において、T-N除去率約80%というSNAPの優れた処理能力を確認した。幾つかの重要なSNAPプロセスの特性について論じた。