著者
山崎 知子 田原 信 高見 博
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.48-54, 2014 (Released:2014-04-30)
参考文献数
47
被引用文献数
1

近年,各癌腫にて分子標的治療の開発は目覚ましく,多くの分子標的治療薬が臨床に登場している。甲状腺癌においても近年分子標的薬の開発がとても目覚ましい。2013年ASCO(American Society of Clinical Oncology)にて放射性ヨード治療抵抗性の局所進行または転移を有する分化型甲状腺癌(Differentiated thyroid cancer以下DTC)に対してもSorafenibがプラセボとの比較にて統計学的有意に無増悪生存期間(PFS)で延長を示した。そのほかLenvatinib,Vandetanibに対する臨床試験が進行中である。甲状腺髄様癌(MTC)に対してVandetanibがプラセボとの比較にて統計学的有意に無増悪生存期間(PFS)を延長することが示され,欧米(FDA,EMA)ではすでに承認されている。従来の細胞障害性抗癌剤ではみられない副作用も観察されるため,副作用発現情報や対応方法の知識が重要である。