著者
山崎 美稀
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2015年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.647-652, 2015 (Released:2016-02-20)

競争に勝つ製品開発および製造のためには, 飛躍的な性能向上を図る必要があり、マルチスケールにおける評価手法を取り入れ、構造物に生じる現象を正確に把握することが重要である。物体内部の微細な組織やき裂などにおける現象把握は顕微鏡により,局部的な領域において現象を観察・分析することで可能となる。また,物体内粒子あるいは原子単位の視的な領域における挙動は分子動力学・量子力学に基づくシミュレーションを実施することで可能となる。しかし,このナノスケールにおけるシミュレーションは非常に小さいスケールでの挙動であり,マクロスケールにおける製品設計に直接適用することは困難である。従って,微視的なモデリングと巨視的なモデリングの間の膨大な差分を処理するために,これらを連結し解析・評価するマルチスケールにおける評価手法が必要である。本講演では樹脂モールド構造における界面強度評価に対して,ナノからマクロスケールまでを考慮することで界面強度に影響を及ぼす因子を明らかにすることで提案できた樹脂脂モールド構造における界面の接着強度の評価および予測手法を紹介する。また,マルチスケールを考慮した樹脂・金属または樹脂・セラミクスの界面設計を行うことにより界面の接着強度が大幅に向上でき、絶縁性能の確保などを通して電力機器の高信頼性を達成した事例を紹介する。