- 著者
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山形 陽一
丹羽 誠
- 出版者
- 日本水産増殖学会
- 雑誌
- 水産増殖 (ISSN:03714217)
- 巻号頁・発行日
- vol.27, no.1, pp.5-11, 1979-05-25 (Released:2010-03-09)
- 参考文献数
- 13
1) 水温25℃におけるウナギに対する亜硝酸の急性毒性と低濃度の亜硝酸溶液中でウナギを長期間飼育した場合の成長および生理状態におよぼす影響について検討した。2) A.japonicaおよびA.anguillaに対する亜硝酸態窒素の24時間TLmは, 460mg/lおよび351mg/lとなり, 0いずれの魚種も亜硝酸に対して強い抵抗性を示した。また, これら致死濃度の亜硝酸溶液中においたウナギは, 鰓および肝臓組織に変性がみられた。3) 9週間の飼育結果から, A.japonicaの成長を阻害する亜硝酸の濃度は30mg/lNO2-Nであることが判った。この濃度ではヘマトクリット値・血色素量・赤血球数が著しく低下し, 鰓組織にも変性がみられた。4) A.japonicaに対する亜硝酸の安全濃度は, 本実験条件では10mg/l NO2-Nと考えられる。