- 著者
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安藤 昭代
山本 富子
- 出版者
- 東海学園大学
- 雑誌
- 紀要 (ISSN:02858428)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, pp.57-68, 1968-07-20
同一条件産出の鶏卵300個を5区分,即ち湿脱脂綿入りポリエチレン袋貯蔵(A区分), ポリエチレン袋(湿脱脂綿なし)貯蔵(B区分), 市販用人工樹脂製卵ケース貯蔵(C区分), 露出貯蔵(D区分), 無洗糠露出貯蔵(E区分)に分けた。これらの鶏卵を4週間(1967年7月12日〜8月9日)電気冷蔵庫内に貯蔵し,その間の重量変化, PH, Yolk Index並びにAlbumen Indexの測定実験を行ったところ,次の結果が得られた。(1)卵の重量減少率A区分は貯蔵期間を通じて,ほとんど重量変化は認められなかった。B区分はA区分に次いで減少率は低く,C区分,E区分と続き,D区分が最も減少率は高かった。(2)卵白のPH各区分とも実験第1日目の8.82より,貯蔵日数の経過に従ってわずかながらPH値が上昇した。4週間後のPH値はA区分が最低で,次いでB, E, D区分の順に高く,C区分が最高であった。しかしながら各区分におけるPH値の差は,A区分とC区分においてさえ0.2であり,大きい差異は認められなかった。(3)Yolk Index 各区分とも,貯蔵期間を通じてほとんど変化は認められなかった。各区分間における差もほとんど認められず,標準値を保持し続けた。(4)Albumen Index 各区分とも,貯蔵日数の経過に従ってA.I.は低下した。貯蔵期間を通じてA区分が最も低下の程度が少く,次いでE, C, D, B区分の順に低下した。E区分はD区分よりも概して低下せず,貯蔵期間後半においてはA区分に劣らぬ数値を示した。本研究に御校閲をたまわりました本学山田民雄教授に厚く感謝いたしますと共に,本実験にあたり,終始協力を得ました本学研修生,加藤裕子氏に深く感謝いたします。