著者
安藤 昭代 赤木 啓子
出版者
東海学園女子短期大学
雑誌
東海学園女子短期大学紀要 (ISSN:02858428)
巻号頁・発行日
no.21, pp.p1-12, 1986-07

学校の調理実習で学習した計量器を, 家庭の主婦がどのように活用しているか, 計量器の所持と使用の実態およびその実態の背景にある要因について, アンケー卜調査を行ない検討した。計量器は「はかり・計量カップ・計量スプーン・温度計」の4種類とし, 名古屋市内に居住する主婦を対象として調査した。結果を要約すると次のようである。1.計量器の所持率は「はかり・カップ・スプーン」が比較的高く, 使用率はいずれの計量器においても所持率よりも低い。2.職業別にみると, いずれの計量器においても所持率・使用率ともに主婦専業が比較的高い。3.最終学歴別では, 4種類の計量器において所持率・使用率ともに短大が比較的高く, 中学一が比較的低い。4.好む家事の順位別では, 料理を第1位とした者に「はかり・スプーン」の使用率が高い。5.家庭調理における食生活観では, 手作りの食事を家族に食べさせたいと言う者の使用率がいずれの計量器においても比較的高い。6.学校時代に計量器の使用経験の有る者は, 無い者よりも4種類の計量器の所持率・使用率ともに極めて高い。7.家族と外食する者は, しない者よりもいずれの計量器においても使用率は比較的高い。8.家族構成および1日の総調理時間などの家庭における食生活形態においては, 4種類の計量器の所持率・使用率ともに有意差は認められない。
著者
安藤 昭代 赤木 啓子
出版者
東海学園女子短期大学
雑誌
東海学園女子短期大学紀要 (ISSN:02858428)
巻号頁・発行日
no.22, pp.p1-15, 1987-07

家庭の主婦の調理用計量器の使用実態と彼女たちの学校時代における計量器学習経験との間にどのような関連があるかを, アンケート調査を行なって検討した。調査した計量器は, 「はかり・計量カップ・計量スプーン・温度計」の4種類である。1)学校時代に多く使用された計量器は, 「はかり・カップ・スプーン」であり, 「温度計」は少ない。2)学校時代に使用経験の有る者は, 無い者よりも各計量器の所持率・使用率ともに高い。[table]3)学校時代に使用経験の有る者は, 使用のきっかけとして「学校で習った」ことを挙げる者がかなりある。4)学校時代に使用経験の有る者は, 無い者よりも計量器の使い方を学んだことは「役に立っている」と評価する者が多い。5)学校時代に使用経験の有る者および無い者の半数以上が, 家庭科で計量器の使い方を教える方がよいと思っている。6)学校時代の計量器の使用経験が比較的長い者ほど, 計量器の所持率・使用率ともに高く, 計量器使用のきっかけとして「学校で習った」ことを挙げ, また計量器の使い方を学んだことは「役に立っている」と評価する傾向にある。
著者
安藤 昭代 岸野 すき江 松井 澄子 清水 恵子
出版者
東海学園大学
雑誌
紀要 (ISSN:02858428)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.19-32, 1974-06-30

1)バナナ・みかん・りんごの個々の果汁の色の経時的変化, 果汁の加熱による色の変化, 三者のミックスジュースを作成する場合の搾汁順序による色の相違, pulpを除去した果汁としないものとの色の相違並びに経時的変化を検討した。2)個々のジュースの色は, 時間の経過に従って, バナナ・みかん・りんごの何れも褐変した。3)加熱果汁は未加熱果汁に比較して, 単独・混合試料の何れの果汁においても褐変が著るしい。4)三者の搾汁順序による色を比較すると, 同時混合搾汁が最も褐変が少く, 色が安定である。順次に搾汁する場合は, みかんを最初に搾る方法が褐変をいくらか防止する。5)生ジュースのごとくpulp混合の果汁は, pulpを除去した果汁に比較して褐変が少ない。
著者
安藤 昭代 山本 富子
出版者
東海学園大学
雑誌
紀要 (ISSN:02858428)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.57-68, 1968-07-20

同一条件産出の鶏卵300個を5区分,即ち湿脱脂綿入りポリエチレン袋貯蔵(A区分), ポリエチレン袋(湿脱脂綿なし)貯蔵(B区分), 市販用人工樹脂製卵ケース貯蔵(C区分), 露出貯蔵(D区分), 無洗糠露出貯蔵(E区分)に分けた。これらの鶏卵を4週間(1967年7月12日〜8月9日)電気冷蔵庫内に貯蔵し,その間の重量変化, PH, Yolk Index並びにAlbumen Indexの測定実験を行ったところ,次の結果が得られた。(1)卵の重量減少率A区分は貯蔵期間を通じて,ほとんど重量変化は認められなかった。B区分はA区分に次いで減少率は低く,C区分,E区分と続き,D区分が最も減少率は高かった。(2)卵白のPH各区分とも実験第1日目の8.82より,貯蔵日数の経過に従ってわずかながらPH値が上昇した。4週間後のPH値はA区分が最低で,次いでB, E, D区分の順に高く,C区分が最高であった。しかしながら各区分におけるPH値の差は,A区分とC区分においてさえ0.2であり,大きい差異は認められなかった。(3)Yolk Index 各区分とも,貯蔵期間を通じてほとんど変化は認められなかった。各区分間における差もほとんど認められず,標準値を保持し続けた。(4)Albumen Index 各区分とも,貯蔵日数の経過に従ってA.I.は低下した。貯蔵期間を通じてA区分が最も低下の程度が少く,次いでE, C, D, B区分の順に低下した。E区分はD区分よりも概して低下せず,貯蔵期間後半においてはA区分に劣らぬ数値を示した。本研究に御校閲をたまわりました本学山田民雄教授に厚く感謝いたしますと共に,本実験にあたり,終始協力を得ました本学研修生,加藤裕子氏に深く感謝いたします。