著者
野田 正幸 山本 晴敬
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.327-334, 1994-05-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
9
被引用文献数
7 10

滅菌処理植物脂肪クリームを用いて,クリームの物性変化におよぼす温度履歴の影響について検討し,以下の知見を得た.(1) 冷蔵開始温度より温度処理がクリームの粘度に大きく影響した.クリーム構成油脂の固体脂含量が温度処理後の粘度に影響し,固体脂含量が20%以下になると粘度が増加して最大値を示し,油脂が融解する温度以上では粘度の変化はなかった.(2) 温度処理後のクリームのホイップ特性は粘度の変化とほぼ対応し,処理温度が高くなるとともにホイップ時間とオーバーランの減少,硬さの増加,気泡径の減少がみられ,油脂が融解する温度以上では無処理と同等となった.温度処理によるホイップ特性の変化は,ホイップ時に増加した遊離脂肪が構造に寄与するためと推定した.(3) クリームの粘度とホイップ特性は温度処理における冷却速度にも依存し徐冷の方が影響が大であった.(4) 温度処理したクリームは,脂肪が融解する温度に再度温度処理することによって再生できた.
著者
野田 正幸 山本 晴敬
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.327-334, 1994
被引用文献数
2 10

滅菌処理植物脂肪クリームを用いて,クリームの物性変化におよぼす温度履歴の影響について検討し,以下の知見を得た.<BR>(1) 冷蔵開始温度より温度処理がクリームの粘度に大きく影響した.クリーム構成油脂の固体脂含量が温度処理後の粘度に影響し,固体脂含量が20%以下になると粘度が増加して最大値を示し,油脂が融解する温度以上では粘度の変化はなかった.<BR>(2) 温度処理後のクリームのホイップ特性は粘度の変化とほぼ対応し,処理温度が高くなるとともにホイップ時間とオーバーランの減少,硬さの増加,気泡径の減少がみられ,油脂が融解する温度以上では無処理と同等となった.温度処理によるホイップ特性の変化は,ホイップ時に増加した遊離脂肪が構造に寄与するためと推定した.<BR>(3) クリームの粘度とホイップ特性は温度処理における冷却速度にも依存し徐冷の方が影響が大であった.<BR>(4) 温度処理したクリームは,脂肪が融解する温度に再度温度処理することによって再生できた.