著者
尾下 豪人 渕田 比呂志 伊藤 徳明 妹尾 美里 磯山 正子 山本 祐太郎 由田 彩佳 大﨑 慶子 川﨑 広平 奥崎 健
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.26-31, 2019-03-20 (Released:2019-03-28)
参考文献数
20

目的:閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome:OSAS)のリスク評価における日本語版STOP-Bangテストの有用性を検証する.方法: OSASのスクリーニング目的でパルスオキシメトリー検査を受けた内科入院患者を後ろ向きに検討した.結果:受検者144人のうち,3%酸素飽和度低下指数≧10/hrの精査対象者57人に精密ポリグラフィ検査を施行し,17人を中等症,29人を重症のOSASと診断した.受信者動作特性曲線分析の結果,STOP-BangテストのBMIカットオフ値は従来の35 kg/m2よりも30 kg/m2にした場合に良好な診断能を示した.STOP-Bangテスト値3点以上を陽性とした場合,中等症―重症SASを検出する感度は95.7%,特異度は42.9%だった.結論: STOP-Bangテストは簡便にOSASリスクを評価できる.