著者
島 弘 坂田 充義 山本 達哉
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E (ISSN:18806066)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.353-363, 2009 (Released:2009-08-20)
参考文献数
4

コンクリート構造物の景観を良くするための方策として表面のはつり仕上げや洗い出し仕上げがある.一方,構造物の耐久性も重要な要求性能である.したがって,海岸構造物など塩害が心配される場所で表面仕上げを適用するためには,はつりや洗い出しと耐久性との関係を知っておく必要がある.しかし,はつりや洗い出しが耐久性に及ぼす影響は明らかにされていない.そこで本研究では,はつりや洗い出しが塩化物イオンの浸透深さに及ぼす影響を実験的に検討した.実験結果から,はつりや洗い出しによって塩化物イオンの浸透抵抗性が小さくなることは無いことが分かった.これは,コンクリート表面近傍において塩化物イオンが浸透する媒体となるセメントペースト量が少なくなるためであると考えられる.
著者
林詳悟 山本達哉 全邦釘 林和彦
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2018(神戸)
巻号頁・発行日
2018-06-20

筆者らはトンネル覆工コンクリートの点検効率化の取り組みとして,可視画像から得られるひび割れの長さや幅などの情報と,覆工表面の三次元形状からはく落の危険性を推定する手法の確立に取り組んでいる。本文は,ひび割れには発生原因によって,表面のひび割れ形状と,内部のひび割れ面の形状には密接な関係性があると考え,ひび割れ表面形状とひび割れ面に発生するせん断強度の関係を明示することで,ひび割れの形状から,はく落危険性を評価する手法を提案するものである。