著者
敷地泰成 長谷川雄基 松本将之 林和彦
雑誌
コンクリート工学年次大会2023(九州)
巻号頁・発行日
2023-06-16

本研究では,摩耗とカルシウム溶脱が進行した水路コンクリートにおけるけい酸塩系表面含浸工法の適用性の検討を目的として,モルタル供試体を使用した基礎実験を行った。結果として,カルシウム溶脱が進行することで,表層部が脆弱となり,摩耗が進行しやすくなることが確認できた。カルシウム溶脱が生じたモルタルにおいても,含浸材による改質効果は発揮されることが分かった。しかしながら,溶脱後に含浸材を塗布した場合に期待できる改質効果は,無溶脱のモルタルに含浸材を塗布する場合に期待できる改質効果よりも劣ることが明らかとなった。
著者
川西弘一 橋本和明 林和彦 石田哲也
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2019(札幌)
巻号頁・発行日
2019-06-11

著者らは橋梁コンクリートを対象とし,近接目視及び打音検査実施前に赤外線サーモグラフィ法による非破壊調査を実施することで,点検結果の信頼性向上と点検の効率化について論じてきた。また,既報では蓄積した点検結果より,熱画像による損傷種別の特定法,生存時間解析に基づく劣化リスク評価を示してきた。本論は,赤外線調査で抽出した損傷箇所の温度差と面積の経年変化に着目し,損傷毎の温度差履歴の特性を把握し,実橋調査と生存時間解析による劣化リスク評価から,本法でコンクリートの密実性が評価できる可能性を示した。
著者
林詳悟 山本達哉 全邦釘 林和彦
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2018(神戸)
巻号頁・発行日
2018-06-20

筆者らはトンネル覆工コンクリートの点検効率化の取り組みとして,可視画像から得られるひび割れの長さや幅などの情報と,覆工表面の三次元形状からはく落の危険性を推定する手法の確立に取り組んでいる。本文は,ひび割れには発生原因によって,表面のひび割れ形状と,内部のひび割れ面の形状には密接な関係性があると考え,ひび割れ表面形状とひび割れ面に発生するせん断強度の関係を明示することで,ひび割れの形状から,はく落危険性を評価する手法を提案するものである。
著者
高畑東志明 橋本和明 林和彦 石田哲也
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2017(仙台)
巻号頁・発行日
2017-06-13

本研究では,第三者被害対策として行っている赤外線調査の熱画像データにより,コンクリート構造物である橋梁の劣化特性や進行性に影響を及ぼす因子を把握し,維持管理の効率化に活用することを目的とする。赤外線サーモグラフィ法により得られた熱画像の定量情報に対して生存時間解析による定量分析を行った結果,初期欠陥が存在する箇所はコンクリート表層部の物質移動抵抗性が低いため,健全部とは劣化進行が異なり早期に劣化することを示した。本分析結果は,施工時の品質管理の重要性を示唆するものであり,維持管理においては補修計画策定時の基礎資料として予防保全に寄与するものである。