著者
山根 利之
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

マウス胚性幹細胞を培養皿中で分化させ単離した胚発生の最初期に出現する多能性造血前駆細胞は、新生仔あるいは成体マウスへ移植しても生着しない。原因を探索したところ、胚性幹細胞由来造血細胞は移植直後には脾臓や骨髄などの造血組織に到達するもののすぐに骨髄組織から消滅し造血ニッチへ停留できない可能性が示唆された。またマウス胎内における相同細胞は造血開始時期に胚体に比べ卵黄嚢に多く存在することを突き止め、卵黄嚢が最初期の多能性造血前駆細胞の主な供給源であることを明らかにした。