著者
尾木 千恵美 山根 和美 平光 美津子
出版者
東海学院大学・東海女子短期大学
雑誌
東海女子短期大学紀要 (ISSN:02863170)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.17-26, 2004-03-31

1)付加運動の働きかけを一定期間行った場合と止めた場合に対象者の身体状況、食習慣、休養状況などの実態を知るために3回の調査により結果を得た。2)対象者の身体状況は、3回の測定値が身長1.57m、体重54.1〜54.4kgであり、BMIの肥満判定は「普通」であった。体脂肪率は常に30%以上であり、「肥満」に該当した。W/H比は、0.73〜0.76であり、最高値は0.85であった。血圧の平均値は、最高血圧が105mmHg前後、最低血圧が70mmHg前後であった。3)成人特殊向き食習慣判定結果は、AとBの判定を「よい」とすると、1回目が66。7%、2回目が83.3%、3回目が79.2%であり、大半の者は食習慣について問題がないと判定された。点数化した総得点の平均値は、1回目が11.8±2.9点、2回目が12.8±2.4点、3回目が12.8±2.9点となった。1回目と2回目の間には有意差(P<0.05)があった。4)貧血者用食習慣判定結果は、CとDの判定を「よくない」とすると、1回目が37.5%、2回目が45.9%、3回目が41.7%で貧血に関して改善が必要であった。点数化した総得点の平均値は、1回目が11.0±2.8点、2回目が11.2±3.0点、3回目が10.6±3.1点であった。それぞれの間には有意差はみられなかった。5)疲労診断で「問題なし」の判定は、1回目が16.7%、2・3回目がそれぞれ20.8%であり、大半の者が肉体的・精神的に疲労していた。肉体疲労10項目のうち、「眠い」、「あくびが出る」は、3回を通じ8割以上あった。精神疲労20項目のうち、「いらいらする」をはじめ14項目については、症状を訴える者の割合が3回を通じ減少した。6)休養状況でCとDの判定を「休養不足」とすると1回目は41.7%、2回目は29.2%、3回目は37.5%であった。点数化した総得点の平均値は、1回目が10.1±2.3点、2回目が10.8±2.1点、3回目が10.5」・2.7点であった。3回の平均値の間に有意差は見られなかった。「睡眠」について、「十分眠れない」は、1・2回目がそれぞれ62.5%、3回目が75.0%であった。7)提示した付加運動(11項目)で、各自が実行しようと思った項目について7回の平均値でみると「階段」、「多く歩く」、「手作業」、「自宅で運動の4項目は90%以上あった。「散歩, ウォーキング」、「スポーツ」は半数以下であった。目標設定の継続性では、「階段」、「多く歩く」、「自宅で運動」は実行しようと思う割合が高く続いた。付加運動の項目数は4〜11項目と個人差があった。8)目標設定した付加運動のうち実行した項目数の平均は、1回目が5.7項目、7回目にいたっては7。0項目と増加した。目標達成度を自己採点させた結果、1回目は51.8点であったが、7回目は65。6点に増加した。「階段」、「バスや電車」、「自転車」、「多く歩く」は、回を重ねる毎に増加した。「散歩, ウォーキング」は、実行する者が少なかった。9)実行しなかった理由を付加運動の項目別にみると、「リモコンを利用しない」、「多く歩く」では「便利で楽な方を選んだから」を、「散歩, ウォーキング」、「スポーツ」では「めんどうだから」、「忙しかったから」、「一人ではいやだから」とした。10)付加運動の実行項目数および達成度の平均値は、「実行しなかった」グループは5.7項目で55.5点、「実行した」.グループは7.6項目で62.7点であった。付加運動の項目別実行した割合は、「実行しなかった」グループは「実行した」グループより割合が低かった。