著者
山田 亮一 吉田 武義
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.119, no.Supplement, pp.S168-S179, 2013-08-15 (Released:2014-03-21)
参考文献数
28
被引用文献数
4

北鹿(ほくろく)地域は,本邦有数の大規模黒鉱鉱床が密集することで知られる.黒鉱鉱床は,金銀をはじめ多様な有価金属を含有し,その経済的価値も高いことから,これまで膨大な量の探鉱活動が行われた.その結果,黒鉱に関る地質・鉱床学的知見のみならず,それらと密接に関連する東北本州弧の島弧発達過程についても,時間分解能の高い詳細なデータが蓄積された.本巡検では,背弧拡大の直前に行われた陸弧安山岩の活動から,背弧海盆バイモーダル火山活動を経て島弧成立に至るまでの一連の火山活動の変遷を観察し,それらの必然的産物として形成された黒鉱鉱床について,現世海底熱水鉱床と対比しつつ,最近の知見を踏まえて新たな視点から紹介する.
著者
山田 亮一
出版者
高田短期大学
雑誌
高田短期大学紀要 (ISSN:09143769)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.47-56, 2010-03

EU(欧州連合)は欧州の27ヶ国、人口5億の地域共同体として政治・経済・社旗の統合を推進している。その中で各国が独自の手法で進めてきた社会保障制度を融合しようとする動きがある。社会保障制度は各国の国民・文化・歴史によって形成されてきたものであり多様な形態で営まれてきた。比較的新しい「ソーシャルケア」についても同様に多様な制度の下で生み出されたこともあり、複雑で統一性のないものとなっている。ところで、巨大な地域共同体となってしまったEUにおいても、人口の高齢化に対応した社会保障の制度化を早急に取り組まなければならないのは日本と同様である。現在、ソーシャルサービスの供給サイドからの制度改革が進められている。その一つがソーシャルケアにおけるECL(ヨーロピアンケアライセンス)の制度化である。これはEUでの労働政策的な意味を含むものだが、ECLは2008年9月から開始されている。ここにおいてはEUの現状とECL導入の持つ意味を考察しながら制度化の持つ意味を考察したい。