著者
山田 光子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.1_85-1_91, 2015-04-20 (Released:2016-01-07)
参考文献数
27

目的:入院中の統合失調症患者のセルフスティグマと自尊感情の関係性を明らかにする。対象と方法:Y県3個所の精神科病院に入院中の統合失調症患者約104名に,セルフスティグマ尺度(PDD),自尊感情尺度(SE),抑うつ尺度(CES-D)を用い調査を行った。結果:有効回答は97名(93.3%)で,男性51名(52.6%)女性46名(47.4%),就業経験のある者91名(93.8%),平均年齢52.9(±13.5)歳,平均発病年齢27.5(±11.5)歳,平均罹病期間25.0(±14.7)年,平均入院期間6.1(±7.2)年だった。各尺度の平均合計得点はPDD 30.5(±8.7)点,SE 31.9(±8.9)点,CES-D 14.3(±10.3)点であった。パス解析の結果,セルフスティグマは抑うつ状態と自尊感情の関連性があることを示した。結論:セルフスティグマは,自尊感情に直接的に影響を及ぼさず,抑うつ状態を介して自尊感情に影響を及ぼすと示唆された。