著者
矢島 仁 佐々木 麻衣子 高橋 圭子 平岡 一幸 大嶋 正人 山田 勝実
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.65-69, 2018 (Released:2019-03-01)
参考文献数
10
被引用文献数
1

山形産ベニ餅から,伝統的な手法によりベニバナ色素を抽出した.黒色基盤に塗布されたベニバナ色素膜は,金属光沢を有した緑色を呈していた.ベニバナ色素膜は白色光入射に対して,波長550 nm付近に全反射による極大を有するスペクトルを示した.この反射極大波長には角度依存性は現れなかった.また,この金属光沢を有する反射光は,主に膜の入射側の界面で生じていることが明らかとなった.この反射光には,直線偏光成分が少ないことも明らかとなった.これらの結果は,ベニバナ色素膜の緑色光沢が,金属の反射とよく似ていることを示唆している.