- 著者
-
瀧 健治
爲廣 一仁
古賀 仁士
石橋 和重
松尾 由美
平尾 朋仁
山田 晋仁
- 出版者
- 一般社団法人 日本臨床救急医学会
- 雑誌
- 日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
- 巻号頁・発行日
- vol.26, no.5, pp.607-613, 2023-10-31 (Released:2023-10-31)
- 参考文献数
- 19
目的:抵抗力が弱い重篤な患者や重症外傷患者を扱う医療施設で,衛生環境維持は重要な課題であり,抗菌加工剤のNRC(nano revolutionary carbon)の使用が衛生環境維持に有益か,実験的に検討する。方法:標準ブドウ球菌(以下,ブドウ球菌)・標準カンジダ菌(以下,カンジダ菌)・浮遊微生物菌を用いて,NRCの①細菌との接触時間,②抗菌活性の持続期間,③「抗菌加工」剤の二酸化塩素(クレベリン®,以下クレベリン)の抗菌活性持続期間,および④浮遊微生物菌へNRCの抗菌効果,を比較検討した。結果:NRCの抗菌効果/ 活性には細菌と30分以上の接触時間が必要で,抗菌活性の持続期間はブドウ球菌で約1年,カンジダ菌で2年6カ月とクレベリンの場合より長く,浮遊微生物菌にも有効な抗菌効果を確認した。結論:NRCの抗菌活性期間と浮遊微生物菌への効果から,抗菌加工剤のNRCは衛生環境維持に効果的であると実験的に評価した。