著者
斎藤 亮子 山田 皓子 井上 京子 沼澤 さとみ 嶺岸 秀子 諸田 直実
出版者
山形県立保健医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

<研究計画>看護基礎教育において「がん看護学」を履修した学生や、履修して卒業した看護師は、がん患者の看護においてがんに対する認知的誤認が少なく、「患者とのコミュニケーションがより容易にとれ、患者の言葉を傾聴でき、患者とともにある」看護ができることを実証したいと考えた。そのために基礎教育用がん看護学を組み立て、講義し、受講した学生のその後のがん看護実践を追跡調査する。また、わが国の4年制看護系大学におけるがん看護学教育の実態調査を行なう。<実施および結果>平成16年度:看護系4年制大学の3年生を対象に、がん看護学20時間のカリキュラムを作成して講義し、教育評価を行なった。評価は概ね良好で期待するものであった。また、わが国の4年制看護系大学におけるがん看護学教育の実態調査を行なった。12%の大学でがん看護学(独立した科目)の講義が行なわれていた。平成17年度:対象学生は4年生になり、成人看護学実習(慢性期)3単位を行った。本実習においてがん患者の看護を体験した学生に対して、認知的誤認が少なく、がん患者とともにあることができる「がん看護学」の成果の判定(第一回調査)を行った。調査の結果は期待する以上のものであった。平成18年度:対象学生は卒業し、一部は医療施設にてがん看護を実践している。職場にある程度適応できた時点で、認知的誤認が少なく、がん患者とともにあることができる「がん看護学」の成果を判定する調査(第二回)を行った。新人看護師のがん看護の取組は期待する以上のものであった。<結論>今日まで、看護基礎教育において、がん看護学教育は高度の知識・技術を必要とするため困難であるとして、体系的には教育されて来なかった。しかし、看護基礎教育におけるがん看護学教育の最大の目的は、学生(若い看護師)のがん看護を困難にしている認知的誤認を軽減することであり、それによって、学生や若い看護師のがん看護実践に大きな変化が生じると考えられた。