著者
伊藤 信和 霍 大成 山田 義明 菊田 邦子 吉川 公麿
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-II, エレクトロニクス, II-電子素子・応用 (ISSN:09151907)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.273-280, 1995-05-25

Al-Si-Cuリフローによる,高アスペクト比コンタクトホール埋設の可能性を明かとするため,コンタクトホールの形状や,リフローを行う際のAlに対する下地膜が,埋込性に与える影響を検討した.埋設を可能とするためには,リフロー前のコンタクトホール側壁に,一定以上のAl-Si-Cu膜厚が必要となることが判明した.コンタクトホール側壁のAl-Si-Cu最少膜厚,すなわちステップカバレージは,おもにコンタクトホールのアスペクト比に依存し,このことからリフローによる埋込特性は,コンタクトホールのアスペクト比によって制限されている.更に,リフローの際の下地膜にTiあるいはTiSi_2を用いることにより,コンタクトホールでのAl-Si-Cu必要最少膜厚を減少させることができ,その結果,埋設可能なアスペクト比が向上する.またTiSi_2下地は,Ti下地を用いた場合には避けることのできないアロイスパイクの発生を防止することができ,Alリフローを用いたコンタクトホール埋設の際の下地膜として有望な材料である.