著者
山路 哲史
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.284-288, 2018 (Released:2020-04-02)
参考文献数
8

超臨界圧軽水冷却炉はプラントシステムの大幅な簡素化・小型化と発電効率の向上により,現行軽水炉の改良では到達できない高い経済性を達成する第四世代の軽水炉である。同一のプラントシステムで熱中性子炉から高速炉まで柔軟な設計対応が可能であり,小型炉の設計も可能である。これまでの国内外の研究開発により,プラント概念,炉心伝熱流動基礎データ,燃料被覆管や断熱材の高温腐食データ,水化学と腐食生成物移行データ等が整備されており,熱流動設計の妥当性と材料面での成立性も見通せるようになった。これらにより研究開発上の不確かさが低減し,今後の開発に伴うリスクが大幅に低減した。