著者
岡部 哲子 長谷川 めぐみ 山部 秀子
出版者
天使大学
雑誌
天使大学紀要 (ISSN:13464388)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.75-80, 2010-03-31

鉄分は、月経や妊娠との関わりから、20〜30歳代女性には特に必要な栄養素であるが、食事からの鉄摂取量の不足が報告されている。本研究では、女子学生における鉄含有食品の摂取が血中ヘモグロビン濃度に与える影響を検討した。血中ヘモグロビン濃度の低い女子学生を2群に分け、1週間あたりのひじきの摂取量を分割して毎日摂取する群(8名)、および週1回にまとめて摂取する群(7名)とし、6週間の介入を行った。毎日摂取した群は、血中ヘモグロビン濃度が介入前に比べて、介入後に有意に上昇した。一方、週1回まとめて摂取した群では、その変化には有意な差がみられなかった。鉄含有食品を分割して毎日補う方が、1週間にまとめて1度摂取するよりも、血中ヘモグロビン濃度の上昇に貢献する可能性が示唆された。
著者
百々瀬 いづみ 山部 秀子
出版者
天使大学
雑誌
天使大学紀要 (ISSN:13464388)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.47-55, 2011-03-31

管理栄養士養成施設栄養学科の4年生が教育者となり、同学科1年生に対して栄養教育を行う「ピア・エデュケーション」を実施した。その結果、1年生にとっては、3年後の自分や、管理栄養士として働く将来像をイメージできるなどの好ましい感想が多く確認された。4年生にとっては、管理栄養士として社会で働く前に実際に栄養教育を行う貴重な経験や、他の学生が行う栄養教育を観察することから多くを学べる経験もできた。このことから、「ピア・エデュケーション」による栄養教育は両学年の学生にとって効果的な教育プログラムであることが確認できた。しかし、他者評価の得点と自己評価の得点との間に有意な得点差が認められたことから、客観的に評価できるスキルの向上も目指して、教育をしていくことも必要であることが示唆された。
著者
長谷川 めぐみ 岡部 哲子 山部 秀子
出版者
天使大学
雑誌
天使大学紀要 (ISSN:13464388)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.43-52, 2008

栄養学科の学生がレシピに関する情報を発信するためのウェブサイト「天使の給食」を構築し、給食経営管理論実習の授業において活用している。この授業に関するアンケートを実施し、その効果を検討した。その結果、ウェブサイトを活用した授業に対して、対象学年である2年生の多くは興味を持って取り組んでいることがわかった。また、このウェブサイトとこのサイトを活用した授業は、3年次において役立てられることが示唆された。栄養士・管理栄養士として働く際には積極的に情報を提供することが求められるが、情報を提供することに関して消極的な学生が多かった。授業において、学生に情報提供の機会を与えることが必要である。今後は、「天使の給食」が学生にどのように利用され、さらに、このサイトを利用することで献立作成能力が向上させられるのかを詳しく検討していく必要がある。
著者
岡部 哲子 長谷川 めぐみ 山部 秀子
出版者
天使大学
雑誌
天使大学紀要 (ISSN:13464388)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.27-33, 2008

鉄分は、月経や妊娠との関わりから、20〜30歳代女性には特に必要な栄養素であるが、食事からの鉄分摂取量の不足が報告されている。一方、管理栄養士教育課程の学生は、将来、食生活の指導を行う立場になることから、学生時代における好ましい食態度の形成は重要な課題である。本研究では、栄養学科の女子学生288名を対象に「鉄分を含む食品に対する意識調査」を行い、鉄分に関する食態度の実態把握と検討を行った。内容は、鉄分を多く含む食品を3つあげ、料理名および食べる頻度を質問した。その結果、回答者の約70%が鉄分の多い食品をレバーと答えていたが、食べる頻度については、約80%はほとんど食べていないと回答していた。ほうれんそうと小松菜を食べる頻度は他の食品に比べると高く、学年による摂取頻度の差がみられた。鉄分の摂取量を増やす一つの方法として、一連の教育(食品の知識を高める→料理に取り入れる技術を習得する→食品の摂取が増し習慣化する)を反復することが必要であると考えられる。