著者
平賀 敦 山野辺 啓 久保 勝義
出版者
Japanese Society of Equine Science
雑誌
Journal of Equine Science (ISSN:13403516)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.127-130, 1995-03-31 (Released:2011-11-29)
参考文献数
5
被引用文献数
6 8

この研究の目的は,競走馬のスタートダッシュ時のストライド幅,ストライド数,隣接した2蹄跡間の歩幅であるステップレングス(Steplength)と速度との関係を知ることであった.ストライド数は最初の数完歩に若干の変動を認めるものの,スタート直後からほぼ最大レベルで一定となったのに対し,ストライド幅は25-30完歩でほぼ最大に達した.このことから,実質的な速度増加はストライド幅の増加によるものの,スタート直後ではストライド数を最大にすることの貢献が大きいものと思われた.ステップレングスについては,Mid step lengthが最初から最大レベルに達したのに対し,Airborne step lengthは最大に達するのに時間を要した.これは,スタート直後にAirborne step lengthを急速に増加させることができないため,Mid step lengthを最大限に増加させることにより,速度の増加を行なっていることを示しているものと思われた.