- 著者
-
山野辺 正邦
中村 智樹
嘉数 勇基
石田 初美
- 出版者
- 一般社団法人日本地球化学会
- 雑誌
- 日本地球化学会年会要旨集 2013年度日本地球化学会第60回年会講演要旨集
- 巻号頁・発行日
- pp.5, 2013 (Released:2013-08-31)
CMコンドライト隕石NWA5958のType-A CAIの粗粒なメリライトの10Be/9Be初生比は4.6×10^-2であった。この値はCV隕石中のCAIのメリライトの初生比(e.g. 9.5×10^4;MacPherson et al. 2003,7.2×10^4; Sugiura et al. 2001)に比べ大きな値となった。またCIコンドライトで規格化した希土類元素存在度はEuに正の異常が見られる平坦な存在度を示し、一方酸素同位体比はCVコンドライト隕石中の多くのCAIsのメリライトが16O-poorを示すのに対し、このCM隕石中のメリライトは16O-richであった。以上の分析結果から、このCAIは太陽近傍にて再加熱され、メリライトは再溶融を経験した。またこのCAIは形成後、円盤内で強い太陽宇宙線を浴びたため、10Beが核破砕反応でCAI中に生成されたと考えられる。